中山 竜司, 丹波 嘉一郎, 渡辺 秀紀, 星 健太郎, 岡田 成生, 山下 雅子, 鹿志村 圭, 伊藤 弘人, 野口 忠秀, 小佐野 仁志, 神部 芳則, 草間 幹夫
日本口腔内科学会雑誌 18(2) 52-56 2012年
顎口腔領域の癌腫は全悪性腫瘍の1~2%であるが,年々増加する傾向にある。患者の心身的肉体的負担は大きな問題となる。進行例あるいは末期例は難治性疼痛を伴うことが多く,薬剤投与が困難な症例を経験することも多い。疼痛コントロールの現状について臨床的検討を行ったので報告する。<br>対象は2005年4月から2010年3月までに当科及び緩和ケア部で疼痛コントロールを行った顎口腔領域悪性腫瘍患者37例である。内訳は男性17例,女性20例である。年齢は51~96歳で平均71.8歳であった。予後は原病死26例,担癌生存7例,不明3例であった。オピオイドローテーション回数は0回から4回,平均1.56回であった。病的骨折を認めた症例は6例であった。高カルシウム血症は14例に認められ,ゾレドロネートは9例,カルシトニンは2例,パミドロン酸ニナトリウムが3例に投与されていた。