伊藤 弘人, 上野 泰宏, 若林 宣江, 井上 千恵子, 本多 ムツ子, 野口 忠秀, 神部 芳則, 草間 幹夫
自治医科大学紀要 33 129-134 2011年3月1日
当科では2000年4月から小児摂食・嚥下外来を開設した。今回われわれは2000年4月から2009年2月までの約9年間に当科小児摂食・嚥下外来を受診した患者134名の実態を把握し,今後よりよい外来診療をすることを目的に,治療内容も含めて検討したので報告する。 対象患者の内訳は男児71名(53%),女児63名(47%),基礎疾患の内訳は神経系の疾患が124症例と最も多く,次いで先天奇形,変形および染色体異常108症例の順であった。摂食・嚥下機能障害の内訳は経口摂取準備機能不全が73症例と最も多く,以下押しつぶし機能獲得期機能不全,すりつぶし機能獲得期機能不全の順であった。訓練内容は直接訓練から開始できたものが69名(51.5%),間接訓練は46名(34.3%)の順であった。初診時の経管栄養は63名(47%)で行われていた。そのうち経管栄養を離脱できたものは16名(25.4%)であった。 当科における摂食嚥下外来の実態調査を行った結果,重度の障害を有し,その結果重度の摂食・嚥下障害患者の占める割合が高かった。今回の結果から今後の課題は,診療期間の適正化,他職種間の連携強化および転院先医療機関との病診連携の確立が必要と考えられた。