高山 哲治, 五十嵐 正広, 大住 省三, 岡 志郎, 角田 文彦, 久保 宜明, 熊谷 秀規, 佐々木 美香, 菅井 有, 菅野 康吉, 武田 祐子, 土山 寿志, 阪埜 浩司, 深堀 優, 古川 洋一, 堀松 高博, 六車 直樹, 石川 秀樹, 岩間 毅夫, 岡崎 康司, 斎藤 豊, 松浦 成昭, 武藤 倫弘, 冨田 尚裕, 秋山 卓士, 山本 敏樹, 石田 秀行, 中山 佳子
遺伝性腫瘍 20(2) 93-114 2020年9月
Cowden症候群/PTEN過誤腫症候群は,PTEN遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とする常染色体優性遺伝性の希少疾患である.消化管,皮膚,粘膜,乳房,甲状腺,子宮内膜,脳などに過誤腫性病変の多発を特徴とする.巨頭症および20歳代後半までに多発性皮膚粘膜病変を発症することが多い.ときに小児期に多発する消化管病変,自閉スペクトラム症,知的障害が診断の契機となる.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある.乳癌,甲状腺癌,子宮内膜癌,大腸癌,腎細胞癌などの悪性腫瘍を合併するリスクが高く,適切なサーベイランスが必要である.本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう,基本的事項を解説し,4個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.(著者抄録)