豊嶋 幹生, 千田 金吾, 松山 泰, 須田 隆文
日本胸部臨床 64(6) 567-571 2005年6月
74歳男.夜間に多い乾性咳嗽,喘鳴が出現した.非アトピー型気管支喘息の診断でキュバール,プランルカスト,ツロブテロールテープの投与を受け,症状の改善を認めた.咳嗽が増悪したため,キュバールを増量し改善した.咳嗽,呼吸困難,発熱が出現した.胸部単純X線写真上,右上肺野に浸潤影を認め,精査加療を目的に入院となった.気管支鏡検査を施行し,メチルプレドニゾロン点滴投与およびプレドニゾロンの後療法を行い,症状,胸部画像所見の改善を認めた.以後,プレドニゾロンを漸減中止した.TBLB病理組織では有意な所見が認められなかったが,BALでリンパ球,好酸球の増加を認め,胸部高分解能CTで小葉間隔壁肥厚や胸水を認めたことより,好酸球性肺炎(CEP)と診断した.喘息症状もなく,CEPの再燃も認めていない