矢野 智則, 山本 博徳, 砂田 圭二郎, 林 芳和, 佐藤 博之, 竹澤 敬人, 井野 祐治, 北村 絢, 菅野 健太郎
Nippon Shokakibyo Gakkai Zasshi 110(7) 1198-1204 2013年
小腸出血の原因病変として,血管性病変,炎症性病変,腫瘍性病変,憩室が挙げられる.初期評価のdynamic造影CTで異常所見があればバルーン内視鏡で精査し,異常所見がなければカプセル内視鏡を行って,バルーン内視鏡の要否を判断する.出血源を同定できれば,その診断に応じた治療を行うが,血管性病変については,拍動性の有無に着目した小腸血管性病変の内視鏡分類を参考に治療方針を決定する.小腸出血の診断率向上には,出血エピソードからできるだけ早いタイミングでの検査が必要であり,カプセル内視鏡とバルーン内視鏡の普及の妨げとなっている保険点数の改訂が望まれる.