牛島 健太郎, 室崎 貴勝, 佐藤 健夫, 永谷 勝也, 秋山 陽一郎, 簑田 清次, 藤村 昭夫
臨床薬理の進歩 (37) 73-81 2016年6月
関節リウマチ患者25例(男8、女17、平均67.7歳)を対象に、赤血球中のメトトレキサート(MTX)-ポリグルタメート(PG)濃度を用いてMTXに対する治療反応性を予測することが可能か検討した。服用開始前から24週目まで経時的に採血し、赤血球中MTX-PG濃度をHPLCにて測定した。MTX治療反応性はDAS28-CRPスコアの改善度で評価した。投与24週目のDAS28-CRPスコアの変化量が1.2より大きい群をMTX反応群、1.2以下をMTX不応群として比較した。赤血球中MTX-PG濃度は経時的に上昇し、MTX反応群の方が不応群に比べ高く推移した。MTX治療反応性を予測するため、投与12週目の赤血球中MTX-PG濃度を用いてROC解析を行った。その結果、MTX-PG濃度のカットオフ値を64.4nMとした場合の感度および特異性はともに80.0%で、良好な予測精度を示した。