水野 照美, 村上 礼子, 中村 美鈴, 山本 洋子, 塚越 フミエ
自治医科大学看護学部紀要 3 33-40 2005年10月
化学療法を続ける通院がん患者の家族員が体験する困難を明らかにし,家族に対する看護援助を検討した.面接調査を行った.家族員の体験する困難は,「身体症状や体調の変化に戸惑い,対応に苦慮する」「将来の見込みが崩れ,厳しい現実の中,不確かで予測のつかない状況に向き合わなくてはならない」「医療費が家計に打撃であり,将来が心配になる」「本人の気持ちを尊重したい思いと,うまくいかない現実に苦闘する」「周囲や社会との関係の取り方に苦労し,問題解決に難渋する」「自分の心身の健康を保つのにかなりの苦労がいる」が明らかになった.家族員に対して,患者の症状や将来を理解し対応できるようになる支援,患者および周囲との対人関係を促進する支援,家族員自身の心身の健康を保つ支援の必要性が示唆された