研究者業績

蕪城 俊克

カブラキ トシカツ  (Toshikatsu Kaburaki)

基本情報

所属
自治医科大学 医学部総合医学第2講座 /眼科学 教授
学位
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

J-GLOBAL ID
200901008552020749
researchmap会員ID
5000090388

学歴

 3

受賞

 1

論文

 152
  • 鈴木 佳代, 南場 研一, 金子 優, 大黒 伸行, 竹内 正樹, 伊東 崇子, 永田 健児, 臼井 嘉彦, 蕪城 俊克, 田中 理恵, 柳井 亮二, 楠原 仙太郎, 慶野 博, 丸山 和一, 竹内 大, 若年性慢性虹彩毛様体炎研究グループ
    日本眼科学会雑誌 128(臨増) 208-208 2024年3月  
  • Yoshiaki Tanaka, Rina Takagi, Shingen Mitou, Machiko Shimmura, Tetsuya Hasegawa, Jota Amarume, Masami Shinohara, Yasushi Kageyama, Tomohiko Sasase, Takeshi Ohta, Shin-Ichi Muramatsu, Akihiro Kakehashi, Toshikatsu Kaburaki
    Biological & pharmaceutical bulletin 2024年3月1日  
    Diabetic retinopathy (DR) can cause visual impairment and blindness, and the increasing global prevalence of diabetes underscores the need for effective therapies to prevent and treat DR. Therefore, this study aimed to evaluate the protective effect of pemafibrate treatment against DR, using a Spontaneously Diabetic Torii (SDT) fatty rat model of obese type 2 diabetes. SDT fatty rats were fed either a diet supplemented with pemafibrate (0.3 mg/kg/day) for 16 weeks, starting at 8 weeks of age (Pf SDT fatty: study group), or normal chow (SDT fatty: controls). Normal chow was provided to Sprague-Dawley (SD) rats (SD: normal controls). Electroretinography (ERG) was performed at 8 and 24 weeks of age to evaluate the retinal neural function. After sacrifice, retinal thickness, number of retinal folds, and choroidal thickness were evaluated, and immunostaining was performed for aquaporin-4 (AQP4). No significant differences were noted in food consumption, body weight, or blood glucose level after pemafibrate administration. Triglyceride levels were reduced, and high-density lipoprotein cholesterol levels were increased. Extension of oscillatory potential (OP)1 and OP3 waves on ERG was suppressed in the Pf SDT fatty group. Retinal thickness at 1,500 microns from the optic disc improved in the Pf SDT fatty group. No significant improvements were noted in choroidal thickness or number of retinal folds. Quantitative analyses showed that AQP4-positive regions in the retinas were significantly larger in the Pf SDT fatty group than in the SDT fatty group. The findings suggest that pemafibrate treatment can exert protective effects against DR.
  • 田岡 和城, 唐川 綾子, 志村 有香, 田中 理恵, 本田 晃, 正本 庸介, 蕪城 俊克, 相原 一, 黒川 峰夫
    日本血液学会学術集会 85回 676-676 2023年10月  
  • Hirotsugu Soga, Tatsuya Inoue, Yoshihiro Urade, Takashi Ueta, Hidetoshi Kawashima, Toshikatsu Kaburaki, Makoto Aihara
    Translational Vision Science & Technology 12(5) 5-5 2023年5月3日  
  • 林 健太郎, 田中 理恵, 竹渓 友佳子, 伊沢 英知, 南 貴紘, 小前 恵子, 中原 久恵, 冲永 貴美子, 高本 光子, 蕪城 俊克
    臨床眼科 77(4) 463-470 2023年4月  
    <文献概要>目的:東京大学医学部附属病院(以下,当院)における2019~2021年のぶどう膜炎初診患者の統計調査。対象と方法:上記期間に当院を初診したぶどう膜炎患者520例を対象とした。診療録をもとに,年齢,性別,罹患眼,解剖学的病変部位,診断名などについて検討を行った。過去の当院の統計結果,全国疫学調査の結果と比較した。結果:初診時平均年齢54.1±20.0歳,男性223例(42.9%),女性297例(57.1%)であった。両眼性307例(59.0%),片眼性213例(41.0%)であった。前部ぶどう膜炎206例(39.6%),中間部ぶどう膜炎16例(3.1%),後部ぶどう膜炎74例(14.2%),汎ぶどう膜炎224例(43.1%)であった。診断がついた症例は353例(67.9%)であり,サルコイドーシス51例(9.8%),ヘルペス性虹彩炎37例(7.1%),急性前部ぶどう膜炎36例(6.9%),眼内悪性リンパ腫34例(6.5%),Vogt-小柳-原田病24例(4.6%),ベーチェット病23例(4.4%),の順であった。抗腫瘍薬関連の薬剤性ぶどう膜炎を8例(1.5%)に認めた。結論:2016~2018年の当院の統計結果と比較し,原因疾患の傾向はほぼ同じであった。全国疫学調査と比較し,当院では眼内悪性リンパ腫が多い結果であった。抗腫瘍薬関連の薬剤性ぶどう膜炎症例が増加しており,今後も増加が予想される。

MISC

 173
  • 蕪城 俊克, 田中 理恵
    医学のあゆみ 262(10) 893-898 2017年9月2日  
  • 吉田 淳, 蕪城 俊克
    眼科グラフィック 6(4) 390-395 2017年8月  
  • 蕪城 俊克
    日本の眼科 88(8) 990-991 2017年8月  
  • 菅野 美貴子, 藤野 雄次郎, 杉崎 顕史, 石橋 健, 田邊 樹郎, 蕪城 俊克
    日本眼科学会雑誌 121(7) 535-545 2017年7月  
  • 根本 穂高, 蕪城 俊克, 田中 理恵, 大友 一義, 高本 光子, 川島 秀俊, 藤野 雄次郎, 相原 一
    あたらしい眼科 34(5) 707-712 2017年5月  
  • 吉田 淳, 蕪城 俊克
    眼科グラフィック 6(2) 132-138 2017年4月  
  • 鈴木 崇, 高瀬 博, 蕪城 俊克, 小早川 信一郎, 永原 幸
    眼科手術 30(2) 315-321 2017年4月  
  • 蕪城 俊克
    OCULISTA (48) 65-71 2017年3月  
    Vogt-小柳-原田病はメラノサイトに対する自己免疫疾患と考えられている全身性炎症性疾患で、頭痛、耳鳴り、難聴、めまいなどに伴って両眼にびまん性網脈絡膜炎や視神経乳頭浮腫を起こす。滲出性網膜剥離を伴うタイプを漿液性網膜剥離型、網膜剥離を認めず視神経乳頭炎を主体とするタイプを視神経乳頭炎型と呼び、後者のほうが再燃を起こしやすい。急性期には蛍光眼底造影で早期像での点状蛍光漏出、後期像での造影剤の網膜下へのpooling、光干渉断層計での脈絡膜の著明な肥厚などがみられることが多く、本症に特徴的である。発症後なるべく早期にステロイド大量全身投与を行うことが推奨される。まずステロイドパルス療法あるいは大量漸減療法を行い、ステロイド内服に切り替えて、経過をみながら半年以上かけて漸減・中止する。ステロイド内服を減量すると再燃を繰り返す遷延例では、免疫抑制剤を併用してステロイド剤を減量する治療が行われる。(著者抄録)
  • 石原 麻美, 目黒 明, 南場 研一, 大野 重昭, 蕪城 俊克, 高瀬 博, 望月 學, 後藤 浩, 竹内 大, 堀 純子, 北市 伸義, 水木 信久
    日本眼科学会雑誌 121(臨増) 172-172 2017年3月  
  • 蕪城 俊克
    OCULISTA (46) 15-22 2017年1月  
    虹彩の観察での注意点には、前房の深さ、対光反応、瞳孔径および虹彩の形状の異常がある。虹彩の形状の異常には、Peter奇形などの先天性の異常、結節・癒着・萎縮などの炎症性の異常、落屑症候群、虹彩新生血管などがある。虹彩根部における前房深度の観察は原発閉塞隅角症(primary angle closure:PAC)の診断に重要である。水晶体の観察は白内障の手術適応や術前の評価の際に重要になる。水晶体は散瞳すると広範囲の観察が可能となる。白内障の混濁の性状と程度、水晶体表面の虹彩色素や落屑様物質の有無、水晶体震盪の有無や水晶体偏位に注意する。水晶体表面の虹彩色素の沈着(pigment on lens)はぶどう膜炎の既往を考える。白内障術後の患者では眼内レンズの位置、後発白内障の有無、眼内レンズの混濁などに注意する。(著者抄録)
  • 石ヶ坪良明, 岳野光洋, 桐野洋平, 吉見隆介, 蕪城俊克, 迫野卓士, 渋谷悦子, 安倍清美, 水木信久
    ベーチェット病に関する調査研究 平成28年度 総括・分担研究報告書(Web) 2017年  
  • 後藤 浩, 南場 研一, 蕪城 俊克, 毛塚 剛司, 園田 康平, 高瀬 博, 大黒 伸行, 大野 重昭, 水木 信久, 日本眼炎症学会TNF阻害薬使用検討委員会
    日本眼科学会雑誌 121(1) 34-41 2017年1月  
  • 後藤 浩, 南場 研一, 蕪城 俊克, 毛塚 剛司, 園田 康平, 高瀬 博, 大黒 伸行, 大野 重昭, 水木 信久, 日本眼炎症学会T, 阻害薬使用検討委員会
    日本眼科学会雑誌 121(1) 34-41 2017年1月  
  • 蕪城 俊克
    臨床眼科 70(11) 248-253 2016年10月  
    <POINT>先天性感染と後天性感染があり,近年後天性感染の症例が増えている。本邦では10%前後に感染の既往があるが,ほとんどは不顕性感染である。活動性病変は1〜3乳頭径大の白色〜黄白色の境界不明瞭な病巣で,網膜後極部に起きることが多い。先天性感染は通常両眼性で黄斑部に陳旧性瘢痕病巣がみられ,その周囲に再発を起こす。後天性感染は片眼性が多く,陳旧性病巣が存在せず,トキソプラズマIgM抗体が陽性になる点が先天性感染と異なる。(著者抄録)
  • 蕪城 俊克
    Retina Medicine 5(2) 163-168 2016年10月  
    ぶどう膜炎には50種類近い原因病名があり、臨床像や再燃の可能性および頻度、合併症、視力予後はかなり異なるので、可能な限りぶどう膜炎の原因病名の特定を目指す。ぶどう膜炎は初診時にしっかり診察することが大切である。眼所見の画像を撮影しておくと、後で比較するのに役に立つ。治療はなるべく局所治療でおこなうのが原則である。トリアムシノロンのテノン嚢下注射は眼底の消炎に有効だが、約3ヵ月間効果が持続する。ステロイドレスポンダーや感染性ぶどう膜炎の可能性が残る場合にはこれを避け、いつでも中止可能なステロイド内服を選択する。(著者抄録)
  • Junko Matsuda, Toshikatsu Kaburaki, Rie Tanaka, Mitsuko Takamoto, Hisae Nakahara, Kazuyoshi Ohtomo, Yujiro Fujino, Jiro Numaga, Hideomi Yamashita, Mineo Kurokawa, Makoto Aihara
    INVESTIGATIVE OPHTHALMOLOGY & VISUAL SCIENCE 57(12) 2016年9月  
  • Rie Tanaka, Kazuyoshi Ohtomo, Mitsuko Takamoto, Keiko Komae, Jiro Numaga, Yujiro Fujino, Makoto Aihara, Toshikatsu Kaburaki
    INVESTIGATIVE OPHTHALMOLOGY & VISUAL SCIENCE 57(12) 2016年9月  
  • Hisae Nakahara, Toshikatsu Kaburaki, Rie Tanaka, Kazuyoshi Ohtomo, Mitsuko Takamoto, Ayako Karakawa, Kimiko Okinaga, Junko Matsuda, Yujiro Fujino, Hidetoshi Kawashima, Makoto Aihara
    INVESTIGATIVE OPHTHALMOLOGY & VISUAL SCIENCE 57(12) 2016年9月  
  • 蕪城 俊克
    OCULISTA (37) 1-8 2016年4月  
    非肉芽腫性ぶどう膜炎は、炎症細胞が固まりを作らずにばらける傾向があることを意味し、微塵様角膜後面沈着物、前房蓄膿、微塵様硝子体混濁、ベール状硝子体混濁を呈することが多く、肉芽腫性ぶどう膜炎にみられるような結節や豚脂様角膜後面沈着物はみられないぶどう膜炎を指す。非肉芽腫性ぶどう膜炎は膠原病やその類縁疾患に伴って起きるぶどう膜炎が多いが、細菌性眼内炎は感染性であるが発症早期には微塵様角膜後面沈着物や前房蓄膿などの非肉芽腫性ぶどう膜炎の所見を取るので注意が必要である。原因疾患の診断は、膠原病疾患の既往歴やそれらを示唆するような全身所見に注意しながら、血液検査や場合によっては眼内液のPCR検査等も行う。治療は、ステロイド点眼と散瞳剤の点眼を基本とするが、効果が不十分な場合はステロイド眼軟膏の点入、ステロイド剤の結膜下注射、さらにステロイド内服治療を検討する。(著者抄録)
  • 坪田 裕喜子, 藤野 雄次郎, 寺尾 亮, 杉崎 顕史, 田邊 樹郎, 蕪城 俊克
    あたらしい眼科 33(4) 594-596 2016年4月  
  • 蕪城 俊克
    日本の眼科 87(3) 316-317 2016年3月  
  • 蕪城 俊克
    眼科 58(3) 285-291 2016年3月  
    眼科においてステロイドを全身投与する理由には、1)点眼や局所投与では効果が不十分で、十分な薬物濃度を眼底に到達させたい場合、2)拒絶反応や自己免疫疾患などの異常な免疫反応を抑えたい場合、3)投与をいつでも中止できるから、の3つがある。ステロイド剤の選択と投与法、副作用と投与前検査、注意すべき症例、ステロイド大量全身投与の主な適応疾患(ぶどう膜炎、視神経炎、角膜移植後拒絶反応、強膜炎、甲状腺眼症)について概説した。
  • 石原 麻美, 目黒 明, 南場 研一, 大野 重昭, 蕪城 俊克, 高瀬 博, 望月 學, 後藤 浩, 竹内 大, 堀 純子, 北市 伸義, 水木 信久
    日本眼科学会雑誌 120(臨増) 223-223 2016年3月  
  • Toshikatsu Kaburaki, Shinji Harihara, Rie Tanaka, Hiromasa Sawamura, Ai Nishi, Atsushi Hatamochi, Jun Shimizu, Masumi Takeuchi, Shoji Kuwata, Hidetoshi Kawashima, Fujio Takeuchi
    ARTHRITIS & RHEUMATOLOGY 67 2015年10月  
  • Sachiko Takada, Rie Tanaka, Naoyuki Kurita, Kiyoshi Ishii, Toshikatsu Kaburaki
    Clinical & experimental ophthalmology 43(6) 593-4 2015年8月  査読有り
  • 蕪城 俊克
    眼科 57(6) 867-873 2015年5月  
  • 柳田 淳子, 蕪城 俊克, 田中 理恵
    あたらしい眼科 32(5) 699-703 2015年5月  
  • 石原 麻美, 目黒 明, 南場 研一, 大野 重昭, 蕪城 俊克, 高瀬 博, 望月 學, 後藤 浩, 竹内 大, 堀 純子, 北市 伸義, 水木 信久
    日本眼科学会雑誌 119(臨増) 188-188 2015年3月  
  • 蕪城 俊克, 辻 英貴
    アレルギーの臨床 34(13) 1164-1167 2014年12月  
    眼内悪性リンパ腫は、ぶどう膜炎と誤診されやすいのみならず悪性度が高く、特に脳中枢神経系へ高率に播種するため、生命予後の悪い病気として知られている。診断は、硝子体生検により細胞診、硝子体液中のIL-10/IL-6濃度比、IgH遺伝子再構成、フローサイトメトリーなどの検査を行って、総合的に判断する。治療のゴールドスタンダードは確立していないが、メトトレキサート硝子体注射を基本として、全身化学療法および放射線治療を患者の年齢や既往歴、両眼性かどうかなどを元に検討する。(著者抄録)
  • 森田 信子, 中島 富美子, 冲永 貴美子, 林 恵子, 野間 未知多, 清田 和也, 井上 達也, 蕪城 俊克
    眼科 56(11) 1365-1370 2014年10月  
    症例1は72歳男性で、交通事故で全身に擦過傷を受傷した。6日後に発熱、9日後に両眼の視力低下、全身の脱力、構語障害を自覚した。両眼とも対光反射消失、右眼光覚弁(+)、左眼光覚弁(-)であった。症例2は76歳女性で、左手関節の疼痛が出現した。2日後に発熱、疼痛の悪化、腫脹の拡大、5日後に両眼の霧視が出現した。両眼とも光覚弁はあり、対光反射陽性であった。症例1は硝子体液、血液、脳脊髄液、症例2は血液、尿よりGGSを検出し、GGSにより両眼性内因性細菌性眼内炎を呈したと診断した。症例1は右眼硝子体手術、左眼は抗生剤硝子体注射を行ったが、右眼光覚弁(-)、左眼は角膜穿孔により眼球摘出に至った。症例2は両眼に抗生剤硝子体注射を行い右眼光覚弁(-)、左眼(0.9)となった。症例1は臨床症状より劇症型溶連菌感染症(STSS)様の臨床像を示すGGS感染症に内因性眼内炎を合併したと考えられた。
  • Rie Tanaka, Ryo Obata, Hiromasa Sawamura, Kazuyoshi Ohtomo, Toshikatsu Kaburaki
    Canadian journal of ophthalmology. Journal canadien d'ophtalmologie 49(5) e115-8-E118 2014年10月  査読有り
  • 多田 明日美, 岩橋 千春, 中井 慶, 南場 研一, 田岡 アナベルあやめ, 高瀬 博, 後藤 浩, 蕪城 俊克, 水木 信久, 安積 淳, 園田 康平, 武田 篤信, 大黒 伸行
    日本眼科学会雑誌 118(10) 857-857 2014年10月  
  • 蕪城 俊克
    眼科 56(10) 1147-1154 2014年9月  
  • 蕪城 俊克, 田中 理恵
    あたらしい眼科 31(9) 1287-1294 2014年9月  
  • 蕪城 俊克
    眼薬理 28(1) 48-51 2014年8月  
    外因性ぶどう膜炎の治療では、病原体を駆除するための薬剤(抗菌薬)と消炎薬が併用されることが多い。病原体によって使用すべき抗菌薬は異なり、またそれらを使用する機会は決して多くはない。したがって、薬剤の投与量や副作用、薬剤相互作用をよく確認したうえで投薬する必要がある。抗菌薬の全身投与では、肝障害、過敏症(発疹)、腎障害、消化器症状、血球減少などの副作用が起こりうるため、定期的な血液検査や問診が必要である。(著者抄録)
  • 蕪城 俊克
    炎症と免疫 22(5) 362-366 2014年8月  
    Behcet病によるぶどう膜炎は、眼内炎症の再発(眼発作)と寛解をくり返すことが特徴である。眼発作が頻発する症例では、その再発抑制治療が必要となる。Behcet病によるぶどう膜炎の治療は、眼炎症発作を予防し寛解期を持続させる発作抑制治療(寛解期治療)と、眼炎症発作期に炎症を沈静化させる消炎治療(発作期治療)に分けられる。これまでは発作抑制治療はコルヒチン、シクロスポリンが主流であったが、2007年に許可された生物学的製剤インフリキシマブ(レミケード)が徐々に主流となりつつある。インフリキシマブは有効性の高い治療薬であるが、副作用や感染症への注意が必要であり、内科医と連携して使用することが望ましい。(著者抄録)
  • 田中 克明, 吉田 淳, 青木 由紀, 蕪城 俊克, 小川 学, 杉田 直, 望月 學, 川島 秀俊
    臨床眼科 68(6) 881-887 2014年6月  
    目的:前房水のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による検索で治療方針が決定した急性網膜血管炎の症例の報告。症例:28歳女性が右眼視力の急激な低下で受診した。妊娠9ヵ月であった。所見:矯正視力は右0.5,左1.2で,右眼の前房に炎症の所見,硝子体混濁,網膜血管炎があった。前房水のPCRで単純ヘルペスウイルス(HSV)が陽性であり,アシクロビルとプレドニゾロンを投与した。3週間後に正常に出産した。初診から5ヵ月後に右眼視力が0.03に低下し,前房に炎症,硝子体混濁,網膜血管炎の所見が生じた。前房水のPCRではHSVが陰性で,血液のPCRでアスペルギルスが陽性であった。ボリコナゾールなどの全身投与で眼所見は寛解し,視力は1.2に改善した。初診から12ヵ月後に眼炎症が再発したが,前房水と血液のPCR所見は陰性であり,プレドニゾロン増量などで軽快した。結論:非典型的な網膜血管炎の診断と治療方針の決定に,前房水のPCR検査が有用であった。(著者抄録)
  • 蕪城 俊克, 南場 研一, 園田 康平, 毛塚 剛司, 慶野 博, 福原 崇子, 鴨居 功樹, 中井 慶, Ocular Behcet Disease Research Group of Japan
    日本眼科学会雑誌 117(11) 935-936 2013年11月  
  • 蕪城 俊克
    臨床眼科 67(11) 140-145 2013年10月  
    <POINT>サルコイドーシスは何らかの病原体に対する過剰な免疫反応で起きると推測されている。治療はステロイド局所投与(眼球周囲注射を含む)による消炎と散瞳薬による瞳孔管理を基本とするが,視機能障害の恐れがある場合はステロイドの全身投与を検討する。遷延する黄斑浮腫は黄斑変性に至ることがあるため,視機能障害が不可逆的になる前に硝子体手術を検討する。ステロイドの副作用に注意するだけでなく,副作用についてあらかじめ患者によく説明しておく必要がある。(著者抄録)
  • 蕪城 俊克
    IOL & RS 27(3) 380-384 2013年9月  
  • 蕪城 俊克
    OCULISTA (5) 57-64 2013年8月  
    眼底炎症性疾患(白点症候群とも呼ばれる)は、炎症性に眼底に白色あるいは黄白色の斑状病巣が多発する比較的稀な眼底疾患である。前房内の炎症所見は通常乏しい。白点の大きさや網膜上の分布、臨床経過からさまざまな病名が付けられているが、なんらかの炎症性起点が関与していることから、広義のぶどう膜炎に含まれる疾患群である。網膜深層から網膜色素上皮層に炎症の主座があると考えられ、網膜色素上皮症とも呼ばれることもある。特異的な眼底所見に加え、フルオレセイン蛍光眼底造影、インドシアニン・グリーン蛍光眼底造影、光干渉断層計、網膜電図などから診断する。病因は不明であるが、ウイルス感染や自己免疫的な機序が推定されている。自然治癒が期待できる疾患もあるが、視機能障害の残存が予想される疾患や視力低下が続く症例では、ステロイド内服治療が推奨されている。(著者抄録)
  • 田邊 樹郎, 向坂 俊裕, 寺尾 亮, 蕪城 俊克
    眼科手術 26(3) 480-484 2013年7月  
    目的:今回筆者らは、白内障術後眼内炎で広範囲に自然消失するフィブリンによる増殖組織を認めた症例を経験したので報告する。症例:33歳、男性。近医で左眼の白内障手術を受け、術後6日目より左眼の急激な視力低下および眼痛を自覚し、東京厚生年金病院眼科を紹介受診。既往に幼少時からのアトピー性皮膚炎があった。受診時左眼矯正視力は手動弁、著明な充血・角膜浮腫・前房蓄膿・眼内レンズ表面のフィブリン析出を認め、眼底は透見不能であった。ただちに眼内レンズ摘出および硝子体手術を行ったところ、硝子体中は白色微塵状の混濁が著明であり、眼底は視神経乳頭を含め広範囲に厚い増殖組織に覆われていた。可能な限り後極部の増殖組織を除去した後にシリコーンオイルを注入し、手術を終了した。術後は速やかな眼内炎の消退が得られた。眼底に残存していた増殖組織は、数日で消失したことからフィブリンによるものであったと考えられた。最終的な矯正視力は0.3であった。結論:白内障術後眼内炎に関する報告は多数なされているが、フィブリンによる増殖組織が認められたとの報告はきわめて少ない。この増殖組織は、術後の自然吸収が期待できるため、その除去は網膜を損傷しない程度に留めるべきと思われた。(著者抄録)
  • 杉浦 毅, 蕪城 俊克, 野田 康雄, 小前 恵子, 小川 学, 杉田 直, 高澤 豊, 望月 學
    臨床眼科 67(6) 875-880 2013年6月  
    目的:真菌性副鼻腔炎が原因と推定された両眼の内因性眼内炎の症例の報告。症例:69歳女性が両眼に白内障手術を受けた。経過は良好で,8週後に左右眼とも1.2の視力を得た。手術から10週後に両眼の前房に混濁が生じ,さらに2週後には硝子体混濁が併発し,眼圧が上昇し,視力は右0.3,左0.2に低下した。複数の抗生剤点眼は奏効せず,手術の3ヵ月後に右眼硝子体の生検を行った。悪性リンパ腫は否定され,真菌が証明された。抗真菌薬で眼内炎は軽快した。全身検査で左上顎洞炎があり,手術で真菌塊が存在し,アスペルギルス副鼻腔炎と診断された。発症から15ヵ月後の現在まで経過は良好で,右1.2,左1.0の視力を維持している。結論:無症候性の真菌性副鼻腔炎が白内障術後の内因性眼内炎の原因となった可能性がある。(著者抄録)
  • 蕪城 俊克
    OCULISTA (3) 89-93 2013年6月  
    多発性後極部網膜色素上皮症は、非炎症性に眼底後極部および下方に漿液性網膜剥離をきたす状態で、中心性漿液性網脈絡膜症の劇症型と考えられている。眼底後極部に網膜深層の黄白色の滲出斑、漿液性網膜剥離、網膜色素上皮剥離が多発する。網膜色素上皮層の障害部位を通して脈絡膜から網膜下への水分の漏出が生じることで、漿液性網膜剥離を起こす。全身疾患に対して大量のステロイド内服を行っている患者やSLE患者、腎障害を持つ患者に多い。通常、自然治癒傾向は乏しく、長期にわたり漿液性網膜剥離が持続すると、視力予後は不良となることが多い。ステロイド治療が誘引となって発症したと考えられる症例では、ステロイドの減量、中止により漿液性網膜剥離の改善、消失が期待できる。黄斑部の漿液性網膜剥離が持続し、視力障害が持続する場合は、網膜光凝固術の適応となる。また、保険適応はないが、光線力学療法も有効例が報告されている。(著者抄録)

共同研究・競争的資金等の研究課題

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