【背景】循環器分野における音声認識技術の有効性の検討やシステムを比較した研究は少ない.【方法】連続293例のホルター心電図(AECG)に対し,音声認識ソフトウェアを用いて判読レポート作成を行った.基本アプリケーションは共通(AmiVoice Ex7)とし,音声入力法として,ハンドマイク(HM)またはヘッドセット(HS)を選択した.音声認識に使用する語彙データベースとして,前者には循環器用語の変換能を強化した電子辞書,後者には一般辞書を用いた.手法ごとにレポート作成の所要時間などを比較した.【結果】HM群(140例)よりもHS群(153例)ではレポート作成時間が短く(615.5秒 vs. 516.0秒,p=0.001),有意所見が増加しても同傾向は維持された.【結語】HSおよび循環器用語の変換に優れた音声認識ソフトウェアを用いたシステムは,AECGレポート作成に際し,作成時間短縮などの時間効率に優れたハンズフリー環境を提供することが示唆された.