基本情報
学歴
1-
2008年4月 - 2010年3月
論文
2MISC
3-
栃木県母性衛生学会雑誌: とちぼ (47) 8-13 2021年3月切迫早産と診断され自宅安静となった看護職者の体験を明らかにすることを目的に、質的記述的研究デザインにて、看護師2名、助産師1名、院護教諭1名を対象に半構成的面接を実施した。質的帰納的分析の結果、切迫早産となった看護職者の体験は、【妊娠までの辛い道のり】【危ぶまれた妊娠継続】【腹部緊満への対応の困難さ】【守ってもらえた妊娠生活】【自宅安静により解消されたストレスと新たに生じたストレス】【切迫早産体験を職務に活かす】の6つのカテゴリーで示された。看護職者たちは、周囲に対する気遣いから母性保護に関する制度を利用できず、腹部緊満への対応に困難を抱えながら仕事を続ける中で、妊娠継続が危ぶまれる状況にあった。一方、専門知識をもち妊娠に理解のある周囲の人たちの支えで、妊娠生活を守ってもらえたと感じる者もいた。自宅安静はそれまでのストレスを解消する面と、新たなストレスを生み出す面とがあり、自身の切迫早産の体験は、専門職としての仕事の糧になると意味づける女性も存在した。妊娠期の看護職者の健康と安寧を維持するためには、妊婦自らが上司や同僚に積極的に相談するとともに、周囲の人々も看護職の職場環境が切迫早産になりやすい因子を多く抱えているという現状を理解し、母性保護に関する制度を取りやすい環境を作っていくことが重要であると考えられた。(著者抄録)