基本情報
学歴
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2008年4月 - 2010年3月
MISC
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栃木県母性衛生学会雑誌: とちぼ (48) 10-22 2022年3月医中誌WebとCiNiiおよびJ-STAGEでキーワードを[予期せぬ妊娠][望まない妊娠][若年妊娠][未受診妊婦][嬰児殺][妊娠葛藤][妊娠SOS]として2015年以降の文献を検索し、ヒットした182件のうち本研究の目的に合致する57件について分析を行った。結果、研究デザインによる分類では症例報告が14件、質的研究5件、量的研究4件、事例検討9件、実態調査・後方視的検討25件であった。症例報告の内容を類似性に基づいて分類すると【梅毒感染症未受診妊婦から出生した児】【出生後に適切な処置がなく死亡した児】【予定外の分娩・分娩方法による母児への影響】【若年妊婦の実態】に分けられた。症例報告以外の文献の記述内容を同様に分類すると以下の6カテゴリーに分けられた。1)管理されない妊娠・出産による母児の危機。2)妊娠・出産に対する誤った認識と知識不足。3)若年による未熟さゆえの危機。4)児に対する思い。5)守ってくれない家族や社会。6)困窮した経済状況。
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栃木県母性衛生学会雑誌: とちぼ (47) 8-13 2021年3月切迫早産と診断され自宅安静となった看護職者の体験を明らかにすることを目的に、質的記述的研究デザインにて、看護師2名、助産師1名、院護教諭1名を対象に半構成的面接を実施した。質的帰納的分析の結果、切迫早産となった看護職者の体験は、【妊娠までの辛い道のり】【危ぶまれた妊娠継続】【腹部緊満への対応の困難さ】【守ってもらえた妊娠生活】【自宅安静により解消されたストレスと新たに生じたストレス】【切迫早産体験を職務に活かす】の6つのカテゴリーで示された。看護職者たちは、周囲に対する気遣いから母性保護に関する制度を利用できず、腹部緊満への対応に困難を抱えながら仕事を続ける中で、妊娠継続が危ぶまれる状況にあった。一方、専門知識をもち妊娠に理解のある周囲の人たちの支えで、妊娠生活を守ってもらえたと感じる者もいた。自宅安静はそれまでのストレスを解消する面と、新たなストレスを生み出す面とがあり、自身の切迫早産の体験は、専門職としての仕事の糧になると意味づける女性も存在した。妊娠期の看護職者の健康と安寧を維持するためには、妊婦自らが上司や同僚に積極的に相談するとともに、周囲の人々も看護職の職場環境が切迫早産になりやすい因子を多く抱えているという現状を理解し、母性保護に関する制度を取りやすい環境を作っていくことが重要であると考えられた。(著者抄録)