基本情報
- 所属
- 自治医科大学 医学部内科学講座 神経内科学部門 教授脳卒中センター センター長
- 学位
- 医学博士(九州大学)
- 研究者番号
- 60752607
- J-GLOBAL ID
- 201601010910807225
- researchmap会員ID
- B000251076
出身 九州大学医学部 平成5年卒業 九州大学内二内科入局
職歴
平成8年5月 国立循環器病センター内科脳血管部門レジデント
平成11年5月 国立循環器病センター内科脳血管部門専門修練医
平成13年5月 国立病院九州医療センター(現独立行政法人国立病院機構九州医療セン
ター) 脳血管内科医師
平成13年8月 同 脳血管センター 超音波部門チーフ
平成17年4月 新日鐵八幡記念病院 (現製鉄記念八幡病院) 脳血管内科
平成17年6月 同医長
平成20年4月 同主任医長
平成22年4月 同部長
平成26年4月 同脳卒中・神経センター長
平成28年1月 自治医科大学付属病院脳卒中センター教授
平成28年3月 自治医科大学内科学講座神経内科学部門教授
平成28年4月 自治医科大学内科学講座神経内科学部門主任教授
所属学会
American Stroke Association Premium Professional Member
International Stroke Society
日本脳卒中学会(代議員・評議員)
日本神経学会
日本脳神経超音波学会(評議員・機関誌編集委員・ガイドライン作成委員)
日本心血管脳卒中学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
日本栓子検出と治療学会(評議員)
日本内科学会
日本神経治療学会
日本てんかん学会
日本頭痛学会
日本老年医学会
日本プライマリーケア連合学会
Mt. Fuji Workshop on CVD
受賞
第29回日本心臓財団草野賞(第30回日本脳卒中学会にて)
第1回日本脳神経超音波学会優秀論文賞
資格
日本内科学会認定医・指導医
日本脳卒中学会専門医
日本神経学会専門医
日本脳神経超音波学会認定検査士
医学博士
職歴
平成8年5月 国立循環器病センター内科脳血管部門レジデント
平成11年5月 国立循環器病センター内科脳血管部門専門修練医
平成13年5月 国立病院九州医療センター(現独立行政法人国立病院機構九州医療セン
ター) 脳血管内科医師
平成13年8月 同 脳血管センター 超音波部門チーフ
平成17年4月 新日鐵八幡記念病院 (現製鉄記念八幡病院) 脳血管内科
平成17年6月 同医長
平成20年4月 同主任医長
平成22年4月 同部長
平成26年4月 同脳卒中・神経センター長
平成28年1月 自治医科大学付属病院脳卒中センター教授
平成28年3月 自治医科大学内科学講座神経内科学部門教授
平成28年4月 自治医科大学内科学講座神経内科学部門主任教授
所属学会
American Stroke Association Premium Professional Member
International Stroke Society
日本脳卒中学会(代議員・評議員)
日本神経学会
日本脳神経超音波学会(評議員・機関誌編集委員・ガイドライン作成委員)
日本心血管脳卒中学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
日本栓子検出と治療学会(評議員)
日本内科学会
日本神経治療学会
日本てんかん学会
日本頭痛学会
日本老年医学会
日本プライマリーケア連合学会
Mt. Fuji Workshop on CVD
受賞
第29回日本心臓財団草野賞(第30回日本脳卒中学会にて)
第1回日本脳神経超音波学会優秀論文賞
資格
日本内科学会認定医・指導医
日本脳卒中学会専門医
日本神経学会専門医
日本脳神経超音波学会認定検査士
医学博士
研究分野
1受賞
2-
2006年4月
-
2005年4月
論文
42-
臨床神経学 57(1) 9 2017年1月症例は62歳女性である。1年前に構音障害と左手の異常感覚で発症し、MRIで右側頭葉に脳梗塞を認めた。塞栓源不明の脳塞栓症と診断されワルファリンカリウムを開始されたが、一過性脳虚血発作を再発し入院となった。発作性心房細動や主幹動脈病変は認めなかったが、経食道心エコーで大動脈弁に高輝度の可動性付着物を認め、乳頭状線維弾性腫が疑われた。塞栓源である可能性が高いと判断し、外科的切除術が行われた。病理検査で同診断が確定し、抗凝固療法は中止した。同腫瘍は比較的稀な腫瘍であるが、塞栓源不明脳塞栓症の原因として鑑別が重要であり、診断には経食道心エコーが有用であった。(著者抄録)
-
Clinical Neurology 57(1) 9-13 2017年 査読有りA 62-year-old woman had a prior ischemic stroke in the right temporal lobe with dysarthria and dysesthesia of the left hand. Embolic stroke of undetermined source (ESUS) was diagnosed and warfarin was administered. However, transient ischemic attack recurred upon admission to our hospital. Paroxysmal atrial fibrillation and cerebral arterial stenotic lesions were absent. Transesophageal echocardiography revealed a mobile hyperechoic structure on the aortic valve indicating papillary fibroelastoma. She was diagnosed with a brain embolism due to the intracardiac tumor which was surgically excised and pathologically confirmed as papillary fibroelastoma. This type of tumor is relatively rare but it is important as an embolic source especially in ESUS. Transesophageal echocardiography was indispensable for detecting the embolic source in this patient with ESUS.
-
臨床神経学 57(1) 9 2017年1月症例は62歳女性である。1年前に構音障害と左手の異常感覚で発症し、MRIで右側頭葉に脳梗塞を認めた。塞栓源不明の脳塞栓症と診断されワルファリンカリウムを開始されたが、一過性脳虚血発作を再発し入院となった。発作性心房細動や主幹動脈病変は認めなかったが、経食道心エコーで大動脈弁に高輝度の可動性付着物を認め、乳頭状線維弾性腫が疑われた。塞栓源である可能性が高いと判断し、外科的切除術が行われた。病理検査で同診断が確定し、抗凝固療法は中止した。同腫瘍は比較的稀な腫瘍であるが、塞栓源不明脳塞栓症の原因として鑑別が重要であり、診断には経食道心エコーが有用であった。(著者抄録)
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脳卒中 38(6) 407 2016年11月症例1は77歳の女性。糖尿病の既往があり、某日起床時に右上下肢の脱力を自覚し、翌日も症状が持続したため当科に入院となった。症例2は66歳男性。某日起床時から急激な浮腫の進行と歩行障害、呂律不良を主訴に来院され入院となり、入院3日目に右片麻痺と右上下肢の感覚障害を指摘された。両症例ともにネフローゼ症候群の診断基準を満たし、MRI拡散強調画像で両側散在性の急性期梗塞巣を認めた。症例1では両側椎骨動脈狭窄を認めた。共に心房細動は伴わず、経食道心エコーで左房内もやもやエコーと大動脈弓部粥腫病変を認めた。ネフローゼ症候群に伴う過凝固状態が動脈硬化病変や心臓内の血栓形成に関与した可能性が考えられ、抗凝固療法を継続した。ネフローゼ症候群では左房内もやもやエコーや弓部粥腫を高頻度に有している可能性が推察され、脳塞栓症の原因診断に経食道心エコーが有用であると考えられた。(著者抄録)
MISC
12-
Cardio-coagulation = カーディオコアギュレーション : 循環器における抗凝固療法 3(3) 154-162 2016年9月
-
Cardio-coagulation = カーディオコアギュレーション : 循環器における抗凝固療法 3(2) 114-118 2016年6月
-
脳卒中 331-335 2016年症例は高血圧症・脂質異常症の既往があり,ADL が自立した80 歳女性.意識障害を主訴に救急搬送された.入院時には右顔面麻痺,構音障害,軽度の右上肢脱力があり,正球性正色素性貧血と両側境界域や皮質に多発する急性期脳梗塞巣を認めた.神経症候は輸血により改善傾向を呈した.来院1 週間前より食欲不振と黒色便があり,上部消化管内視鏡検査にてA1 stage 潰瘍を認めた.すでに止血が完成していたため,抗血栓療法を開始した.頭蓋内および頭蓋外脳血管に有意狭窄はなかったが,虚血病巣や輸血により症状が改善したことから,脳梗塞の発症機序として急激な出血による循環血液量の減少と貧血による低酸素血症が示唆された.さらに悪性腫瘍などは認めなかったが,経食道心エコー検査で大動脈弓部に高度粥腫を認め,大動脈原性塞栓症の可能性も疑われた.二次予防にはクロピドグレルを選択し,再発や神経症候の増悪はなく,独歩で自宅退院となった.
-
脳卒中 407-412 2016年症例1 は77 歳の女性.糖尿病の既往があり,某日起床時に右上下肢の脱力を自覚し,翌日も症状が持続したため当科に入院となった.症例2 は66 歳男性.某日起床時から急激な浮腫の進行と歩行障害,呂律不良を主訴に来院され入院となり,入院3 日目に右片麻痺と右上下肢の感覚障害を指摘された.両症例ともにネフローゼ症候群の診断基準を満たし,MRI 拡散強調画像で両側散在性の急性期梗塞巣を認めた.症例1 では両側椎骨動脈狭窄を認めた.共に心房細動は伴わず,経食道心エコーで左房内もやもやエコーと大動脈弓部粥腫病変を認めた.ネフローゼ症候群に伴う過凝固状態が動脈硬化病変や心臓内の血栓形成に関与した可能性が考えられ,抗凝固療法を継続した.ネフローゼ症候群では左房内もやもやエコーや弓部粥腫を高頻度に有している可能性が推察され,脳塞栓症の原因診断に経食道心エコーが有用であると考えられた.
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Neurosonology:神経超音波医学 29(1) 47-52 2016年A 77-year-old man with a history of radiation therapy for pharyngeal cancer and consequent asymptomatic left common carotid artery (CCA) occlusion showed asymptomatic ischemic stroke and left transient monocular blindness, and he was admitted to our hospital. He was found to have an indication for bypass surgery because of a remarkable reduction in cerebral blood flow in the ipsilateral middle cerebral artery (MCA) territory. Carotid ultrasonography revealed retrograde blood flow of the ipsilateral external carotid artery (ECA) and a U-turn phenomenon to the internal carotid artery (ICA). Cerebral angiography demonstrated spontaneous bonnet bypass flow from the right superficial temporal artery (STA) to the left STA, but the blood flow via the bypass was not enough to supply the left MCA. Bypass surgery to anastomose the bonnet bypass to the left MCA was performed, and postsurgical cerebral blood flow to the ipsilateral MCA territory improved. On STA duplex ultrasonography (STDU), the pulsatility index value of the contralateral STA changed from an ECA pattern before surgery to an ICA pattern after. Moreover, postsurgical mean flow velocity of the bonnet bypass to the left MCA was relatively higher than the presurgical retrograde mean flow velocity of the left STA. These ultrasonographic findings correlated with those on single photon emission computed tomography (SPECT) and cerebral angiography. As demonstrated in the present case, ultrasonography including STDU is useful in the evaluation of cerebral hemodynamics before and after cerebral artery bypass surgery and in the usual STA-MCA anastomosis.
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理学療法学 2015年【目的】脳卒中治療における効果判定ツールとしてのStroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS)の有用性を検討した。【方法】対象は脳卒中の診断で入院,リハビリテーションを実施した244例とし,評価は入院7,21日目に実施した。SIASの反応性はStandardized Response Mean(以下,SRM)を用いて検討した。Minimal Clinically Important Difference(以下,MCID)の検討は,歩行能力の改善を臨床上重要な指標の変化と定義し,それが生じるのに必要なSIASの変化量を検討した。【結果】SIASのSRMは0.61で,歩行能力が改善するためのSIASのMCIDは2点であった。【結論】SIASは経時的に改善し,2点の改善が歩行能力改善と関連していた。そのため,脳卒中治療の効果判定として有用な指標であることが示唆された。
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理学療法学 42(7) 554-561 2015年【目的】脳卒中治療における効果判定ツールとしてのStroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS)の有用性を検討した。【方法】対象は脳卒中の診断で入院,リハビリテーションを実施した244例とし,評価は入院7,21日目に実施した。SIASの反応性はStandardized Response Mean(以下,SRM)を用いて検討した。Minimal Clinically Important Difference(以下,MCID)の検討は,歩行能力の改善を臨床上重要な指標の変化と定義し,それが生じるのに必要なSIASの変化量を検討した。【結果】SIASのSRMは0.61で,歩行能力が改善するためのSIASのMCIDは2点であった。【結論】SIASは経時的に改善し,2点の改善が歩行能力改善と関連していた。そのため,脳卒中治療の効果判定として有用な指標であることが示唆された。
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脳卒中 35(6) 418-424 2013年要旨:【背景・目的】Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)は脊髄小脳変性症における運動失調の評価を目的として作成された.脳卒中による運動失調をSARA にて評価した研究は少ない.本研究では急性期脳卒中におけるSARA の有用性について検討した.【方法】2011 年6 月から2012 月7 月までに椎骨脳底動脈領域の脳卒中による運動失調に対しリハビリテーションを施行した18 例を対象とした.発症1 週目におけるSARA,National Institute of the Health Stroke Scale(NIHSS),Functional Ambulation Category(FAC),Barthel Index(BI)および入院期間を調査し,SARA の有用性を検討した.【結果】発症1 週目におけるNIHSS とBIは相関を認めなかった(p=0.557,r=−0.148).しかしSARA とBI は有意な負の相関を認めた(p=0.001,r=−0.725).FAC に関しては,NIHSS との相関は認められず(p=0.582,r=−0.139),SARA とは負の相関を認めた(p<0.001,r=−0.800).NIHSS と入院期間に相関は認めなかった(p=0.550,r=0.151).SARA と入院期間は正の相関を認めた(p<0.001,r=0.874).【結論】脳卒中に伴う運動失調の重症度評価において,SARA はNIHSS に比べてFAC,BI,入院期間と相関が高く,有用であることが示唆された.
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日本理学療法学術大会 2012 48101227-48101227 2013年【はじめに、目的】脳卒中後の排尿コントロールは,ADL項目の中で2番目に難易度の低い項目であると言われている.しかし,急性期患者の4-8割に認め,介護負担が増加する最大の要因の1つである.また,尿失禁と機能予後との関連も報告されている.そのため,脳卒中急性期において排尿コントロールは重要であり,尿失禁が改善する意義も大きいと考えられる.本研究の目的は,脳卒中患者の尿失禁の早期改善と機能予後との関連,さらに尿失禁の早期改善に関連する因子を検討することとした.【方法】2010年4月から2012年7月に脳卒中の診断で当院入院し,リハビリテーションを実施した347例を対象とした.基準は発症前modified Rankin Scale(mRS)0-3,入院期間が8日以上で,かつ入院7日目に意識障害が無く, Barthel Index における排尿コントロールの項目が自立していないこととした.尿失禁の改善は,入院7日目から21日にかけて,排尿の項目が5点以上改善することと定義した. 調査項目は,人口統計学的データ(年齢,性別,身長,体重,BMI,発症前mRS),入院時National Institute of Health Stroke Scale[NIHSS],入院7日目における機能評価(Stroke Impairment Assessment Set[SIAS]),機能予後(3,6ヶ月でのmRS)とした. 尿失禁改善の有無による機能予後の比較は,Mann-Whitney U test を用いた.尿失禁改善の要因検討は,多重ロジスティック回帰分析を用いた.従属変数は尿失禁の改善とした.入院7日目以内の調査項目を,従属変数の有無で単変量解析を行ったうえで,統計学的有意差を認めた項目を独立変数としてステップワイズ解析に取り込んだ.統計ソフトはSPSS ver.18.0 を用いた.データはmean±SD,Median[IQR]で記載し,危険率は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】本研究は,ヘルシンキ宣言に沿って実施した.対象者には説明を行い,同意を得て実施した.【結果】入院7日目に排尿が自立していなかった症例は119/347例(34.3%)で,退院時までに排尿項目が5点以上改善した症例は41例(34.5%),改善しなかった症例は78例(65.5%)であった.3,6ヶ月のmRSは改善のあった群で37例,30例で,改善の無かった群で72例,60例でデータを入手可能であった.対象者の特徴として,平均年齢は75.7±10.7歳,入院時NIHSS10.4±8.1,退院時NIHSS7.0±6.1,退院時mRS4[3-4],在院日数39.2±18.4日であり,入院7日目のFIMは48.3±24.4であった.機能予後の比較においては,入院期間中に排尿の改善があることが,無いことと比較してmRSは 3ヶ月で2[1-3],4[3-5],6ヶ月で2[1-3],4[3-5]とともに低値であった(p<0.001).排尿項目の改善の有無で比較した単変量解析の結果,性別(p<0.001),発症前mRS(p<0.001),入院時NIHSS(p<0.021),SIAS(p<0.001)の4項目に統計学的有意差を認めた.これらの項目を取り込んだ多変量解析の結果,排尿コントロールが改善する要因は,発症前mRSが低く(OR=0.44[0.25-0.76];p=0.003),入院7日目のSIASが高いこと(OR=1.04[1.01-1.06];p=0.004)であった.【考察】本研究で対象とした脳卒中患者における入院7日目の尿失禁は約4割で認め,ADLが低く,機能予後不良であった.その中でも,急性期に尿失禁が改善した方が,mRSが低値であった. 入院期間中に尿失禁が改善する要因として,ADLの機能が身体機能と関連するため発症前mRSやSIASといった項目が尿失禁と関連したと考えられる.以上のことから,発症早期から失禁を改善させるような取り組みが機能予後を改善させる可能性があると考えられた.【理学療法学研究としての意義】尿失禁の改善は,介護負担を軽減させ,機能予後を改善させる.そのため,急性期病院における尿失禁が改善する要因を把握し,介入することは理学療法に有益である可能性がある.また,尿失禁を認める対象者は低ADLであり,身体活動量も低いと考えられるため,運動量を確保し,身体機能を維持・向上することが必要と考えられる.
-
脳卒中 33(1) 1-8 2011年【目的】脳卒中専門病院・地域病院間にテレビ電話機能付き携帯端末(SMT)を配備し,SMT実施の有無で急性期脳梗塞例の転帰が改善するかを検証した.【方法】全国9地域(23施設)において前半は既存の診療体制(非SMT実施群)を,後半はSMTを実施した(SMT実施群).【結果】非SMT実施群は66例,SMT実施群は68例が登録された.1カ月後の転帰を追跡しえた脳梗塞例では,非SMT実施群40例中t-PA療法は1例(3%)に実施,SMT実施群34例中4例(12%)に実施(p=0.173),転帰良好(modified Rankin scale 0–2)は,非SMT実施群19例(48%),SMT実施群15例(44%)であった.【結論】SMT実施によって,t-PA療法実施率は3%から12%に上昇し,SMTは地域の脳卒中診療支援に有用であることが示唆された.
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脳卒中 33(1) 114-118 2011年症例は47歳女性.後頭部痛とめまいを主訴に来院した.頭部CTでは異常所見を認めず,点滴と安静により症状が軽減したため帰宅された.翌日構音障害,嚥下障害,左顔面麻痺,左片麻痺,左感覚異常などが出現し,当科受診となった.MRI拡散強調画像で,脳幹と小脳に多発性梗塞を認め,MRAでは両側椎骨動脈遠位部と脳底動脈先端部で描出が不良であった.同部位は3D-CT angiographyでも局所的な途絶像を呈したが,MRIのbasi-parallel anatomical scanning (BPAS)画像では血管の外径が拡張していた.以上の所見より,椎骨脳底動脈解離による多発性脳梗塞と診断した.椎骨動脈解離は若年発症の脳梗塞では重要な原因の一つであるが,めまいや頭痛のみで発症することも少なくない.3D-CT angiographyやMRIで比較的容易に診断できるため,見落とさないための指針が必要と思われた.