渋谷 祐一, 岡林 孝弘, 堀見 忠司, 西岡 豊, 濱田 円, 志摩 泰生, 藤澤 憲司, 尾崎 和秀, 西江 学, 櫻間 一史, 松本 志郎, 西村 誠明
腎と透析 2004年5月 (株)東京医学社
73歳女.胃癌で幽門側胃切除術,乳癌で乳房切断術の既往がある.慢性腎不全で血液透析導入となった.定期検査の胸部X線写真で右肺異常陰影を指摘された.胸部X線写真で右下肺野に結節影を認め,CT検査で右肺下葉S9の末梢に1.5cm大の結節影を認め,ノッチを伴った.経気管支的擦過細胞診と気管支洗浄液細胞診はClassIIであった.画像上肺癌を疑い,手術を施行した.右肺下葉S9に結節を認め,穿刺吸引細胞診を行いClass Vで肺癌と診断した.左肺下葉切除術,リンパ節郭清を胸腔鏡補助下に施行した.術後5日目に胸水貯留を認めたが,透析を行うことで改善した.食事摂取が不良で,9日間カリウムフリーの高カロリー輸液を行い術後22日目に退院となった.現在術後10ヵ月であるが,再発なく生存中である