研究者業績

倉科 憲太郎

クラシナ ケンタロウ  (Kentaro Kurashina)

基本情報

所属
自治医科大学 外科学講座 消化器一般移植外科学部門 准教授
附属病院臨床栄養部 准教授
学位
医学博士(自治医科大学)

J-GLOBAL ID
201401034914548780
researchmap会員ID
B000238262

論文

 106
  • Takehiro Kagaya, Atsushi Miki, Jun Watanabe, Rihito Kanamaru, Shiro Matsumoto, Kentaro Kurashina, Shin Saito, Takumi Teratani, Yoshinori Hosoya, Yasunaru Sakuma, Joji Kitayama, Naohiro Sata
    World Journal of Surgery 2024年6月24日  
    Abstract Background Osteopenia reflects frailty and has been shown to be associated with outcomes in cancer patients. This study was undertaken to examine whether osteopenia is an independent prognostic factor in patients with esophageal cancer after resection. Methods A total of 214 patients who underwent surgery for esophageal cancer were analyzed retrospectively. Bone mineral density (BMD) of the 11th thoracic vertebra was measured by computed tomography scan, and patients classified into osteopenia and normal BMD groups with BMD <160 Hounsfield units as the cutoff. Clinicopathological data and prognosis were analyzed. Results The 5‐year survival rate was 55.4% for the osteopenia group and 74.7% for the normal BMD group with a significantly worse prognosis in the osteopenia group (p = 0.0080). In multivariable analysis, osteopenia was a significant independent risk factor associated with overall survival (hazard ratio [HR] 1.90, 95% confidence interval [CI] 1.27–3.34, and p = 0.0151) along with R1/2 resection (HR 3.02, 95% CI 1.71–5.18, and p = 0.0002). Conclusion In patients with esophageal cancer undergoing resection, osteopenia may be a surrogate marker for frailty and an independent predictor of prognosis.
  • Takashi Chinen, Hironori Yamaguchi, Hideyuki Ohzawa, Shiro Matsumoto, Kentaro Kurashina, Shin Saito, Yoshinori Hosoya, Hirofumi Fujii, Joji Kitayama, Naohiro Sata
    Journal of thoracic disease 16(1) 391-400 2024年1月30日  
    BACKGROUND: Adjuvant nivolumab therapy has become the standard therapy for patients with localized advanced esophageal cancer with non-pathological complete response after neoadjuvant chemoradiotherapy followed by curative surgery. However, the necessity of this therapy for patients after neoadjuvant chemotherapy (NAC) with docetaxel, cisplatin, and 5-fluorouracil (DCF) regimen followed by surgery is unclear, and the prognosis of grouping based on the presence or absence of pathological tumor and lymph node findings has not been analyzed. Therefore, our study aimed to address these questions. METHODS: This retrospective cohort study included patients with cT1N1-3M0 and cT2-3N0-3M0 esophageal cancer according to the Japanese Classification of Esophageal Cancer, 11th edition, who received NAC with DCF followed by curative surgery between 2008 and 2020 at Jichi Medical University Hospital. We divided patients with ypT0-3N0-3M0 into four histological groups, namely ypT0N0, ypT+N0, ypT0N+, and ypT+N+, and we evaluated overall survival as the primary outcome and the prognostic relationship of lymph node metastasis as the secondary outcome. RESULTS: A total of 101 patients were included in this study. Kaplan-Meier analysis showed that the curves of the ypT0N0 and ypT+N0 groups were almost identical, while they differed from the other two groups. The hazard ratio of ypN+ was 4.44 (95% confidence interval: 2.03-9.71; P<0.001). CONCLUSIONS: The prognosis of the ypT+N0 group after NAC with DCF followed by surgery was similar to that of pathological complete remission. Grouping patients according to pathological lymph node status is a reasonable predictor of prognosis.
  • Yuki Kimura, Hideyuki Ohzawa, Yuki Kaneko, Hideyo Miyato, Kentaro Kurashina, Shin Saito, Hironori Yamaguchi, Yoshinori Hosoya, Naohiro Sata, Joji Kitayama
    Gan to kagaku ryoho. Cancer & chemotherapy 50(13) 1435-1437 2023年12月  
    Although miR-29b levels in peritoneal exosomes was markedly reduced in patients with peritoneal metastases(PM), their role has not been fully clarified. Bone marrow derived mesenchymal stem cells(BMSC)were transfected with miR-29b- integrating lentivirus and exosomes isolated from culture supernatants using ultracentrifugation. The effects of the exosomes on human peritoneal mesothelial cells(HPMC)were examined in vitro. The in vivo effect of murine BMSC-derived exosomes was examined with a syngeneic PM model. Culture of HPMC with TGF-β1 decreased expression of E-cadherin and calretinin with increased expression of vimentin, totally restored by adding miR-29b-rich exosomes. The exosomes inhibited proliferation and migration of HPMC, and inhibited adhesion of gastric cancer cells to HPMC. Intraperitoneal(IP)transfer of miR- 29b-rich exosomes every 3 days markedly reduced the number of PM of a murine gastric cancer cell, YTN16P, on the mesentery of C57/BL6 mice. IP administration of miR-29b-containing exosome suppresses the development of PM of gastric cancer.
  • 倉科 憲太郎, 鈴木 祥子, 山越 裕美, 佐々木 彩加, 川上 勝, 村上 礼子, 清水 敦, 佐田 尚宏
    PEG・在宅医療学会学術集会プログラム抄録集 27回 72-72 2023年9月  
  • 山越 裕美, 倉科 憲太郎, 鈴木 祥子, 佐々木 彩加, 川上 勝, 村上 礼子, 清水 敦, 佐田 尚宏
    PEG・在宅医療学会学術集会プログラム抄録集 27回 73-73 2023年9月  

MISC

 42
  • 山口博紀, 山口博紀, 大澤英之, 大澤英之, 知念崇, 金丸理人, 倉科憲太郎, 斎藤心, 細谷好則, 佐田尚宏, 北山丈二, 北山丈二
    日本成人病(生活習慣病)学会会誌 47 2022年  
  • 増山 仁徳, 郷田 憲一, 中村 哲也, 富永 圭一, 倉科 憲太郎, 砂田 圭二郎
    消化器内科 3(8) 29-40 2021年8月  
    ピロリ菌感染による胃粘膜萎縮と発癌の関係は周知の事実であり、また高度萎縮例がより発癌リスクが高いことも知られている。そこで、筆者らは自施設の内視鏡受検者27,777例(早期胃癌:272例、進行胃癌:135例)を対象とし、木村・竹本分類に準じて胃粘膜萎縮を分類し、胃粘膜萎縮の程度と発癌リスクを検討した。結果は内視鏡的胃粘膜萎縮の進展とともに、癌発見率は有意に上昇した。また、同時性多発早期胃癌および異時性多発早期胃癌のほとんどが高度萎縮例であった。最近、十二指腸の腫瘍性病変がしばしば発見されるようになり、十二指腸腫瘍(早期癌/腺腫)と背景胃粘膜について検討した。早期十二指腸癌の背景胃粘膜はピロリ菌陰性ないし軽度萎縮症例が大半で、それに比し、十二指腸腺腫はピロリ菌陰性から高度萎縮まで胃粘膜萎縮に関係なく認められた。(著者抄録)
  • 北山 丈二, 石神 浩徳, 山口 博紀, 斎藤 心, 倉科 憲太郎, 細谷 好則, 佐田 尚宏
    臨床外科 75(10) 1185-1189 2020年10月  
    <文献概要>ポイント ◆タキサン腹腔内反復投与は長期にわたり高い腹腔内濃度が維持され,全身化学療法と併用することで胃癌腹膜播種に対して著効を示す.◆全身+腹腔内併用化学療法が奏効し「腹膜播種が消えた」症例に対し,conversion gastrectomyを施行すると長期生存が期待できる.◆全身+腹腔内併用化学療法中の腹腔内液サンプル中のCEAmRNAの定量は,conversion gastrectomyの適応を決めるうえで有用な情報となる.
  • 北山 丈二, 石神 浩徳, 山口 博紀, 斎藤 心, 倉科 憲太郎, 細谷 好則, 佐田 尚宏
    臨床外科 75(10) 1185-1189 2020年10月  
    <文献概要>ポイント ◆タキサン腹腔内反復投与は長期にわたり高い腹腔内濃度が維持され,全身化学療法と併用することで胃癌腹膜播種に対して著効を示す.◆全身+腹腔内併用化学療法が奏効し「腹膜播種が消えた」症例に対し,conversion gastrectomyを施行すると長期生存が期待できる.◆全身+腹腔内併用化学療法中の腹腔内液サンプル中のCEAmRNAの定量は,conversion gastrectomyの適応を決めるうえで有用な情報となる.
  • 長谷川直人, 樅山定美, 中野真理子, 佐々木雅史, 吉田紀子, 古島幸江, 佐々木彩加, 中村美鈴, 佐藤幹代, 村上礼子, 相賀美幸, 宮田直美, 渡辺芳江, 半田知子, 弘田智香, 倉科憲太郎, 細谷好則, 佐田尚宏
    自治医科大学看護学ジャーナル 15 3‐15 2018年3月31日  
  • 渡辺 春菜, 中村 めぐみ, 椎名 美知子, 佐藤 敏子, 坂本 博次, 古内 三基子, 亀田 尚香, 高橋 さとか, 山川 道代, 倉科 憲太郎, 西野 宏
    日本病態栄養学会誌 21(Suppl.) S-104 2018年1月  
  • 長谷川 直人, 中村 美鈴, 佐藤 幹代, 村上 礼子, 中野 真理子, 佐々木 雅史, 水口 恵美子, 渡辺 芳江, 半田 知子, 宮田 直美, 相賀 美幸, 弘田 智香, 佐田 尚宏, 細谷 好則, 倉科 憲太郎
    自治医科大学看護学ジャーナル 14 45-45 2017年3月  査読有り
  • 長谷川 直人, 樅山 定美, 中野 真理子, 佐々木 雅史, 吉田 紀子, 古島 幸江, 佐々木 彩加, 中村 美鈴, 佐藤 幹代, 村上 礼子, 相賀 美幸, 宮田 直美, 渡辺 芳江, 半田 知子, 弘田 智香, 倉科 憲太郎, 細谷 好則, 佐田 尚宏
    自治医科大学看護学ジャーナル = Jichi Medical University journal of nursing 15 3-15 2017年  
    目的:胃がん術後に初めて外来を受診した患者に対する看護師の個別支援の経過を分析し、患者の術後機能障害への対処を導く看護師の教育的関わりを明らかにする。方法:患者の外来受診時に個別支援の時間を設け、患者の機能障害の状況と生活への影響、機能障害への対処方法とその結果に着目し、教育的支援を行った。個別支援の会話を逐語録とし、コードの類似性に基づいてサブカテゴリ、カテゴリを構成した。結果:教育的関わりのカテゴリとして、【共に歩もうとする】【こころの距離を近づける】【生活者の視点で機能障害を捉える】【専門家として対処を保証する】【対処を手引きする】【快方を願う姿勢を示す】の6つが抽出された。結論:看護師は、患者の対処を導くために、こころの距離を近づける、快方を願う姿勢を示すことを関わりの基盤とし、共に歩もうとする態度を示したうえで生活者の視点で機能障害を捉え、患者の対処の状況に応じて専門家として対処を保証することと対処を手引きすることを使い分けていた。(著者抄録)
  • 安部望, 細谷好則, 金丸理人, 松本志郎, 春田英律, 倉科憲太郎, 佐田尚宏, 安田是和, 今田浩生, 福嶋敬宜
    日本臨床外科学会雑誌 77(9) 2375‐2376-2376 2016年9月25日  
  • 安部 望, 細谷 好則, 金丸 理人, 松本 志郎, 春田 英律, 倉科 憲太郎, 佐田 尚宏, 安田 是和, 今田 浩生, 福嶋 敬宜
    日本臨床外科学会雑誌 77(9) 2375-2376 2016年9月  
  • 倉科憲太郎, 三木厚, 松本健司, 村越美穂, 佐藤敏子, 小暮亜弥子, 齋藤心, 鯉沼広治, 笹沼英紀, 小泉大, 佐久間康成, 堀江久永, 細谷好則, 佐田尚宏
    日本外科学会定期学術集会(Web) 116th PS-173-3 (WEB ONLY)-173 2016年4月  
  • 倉科 憲太郎, 春田 英律, 細谷 好則, 齋藤 心, 松本 志郎, 宇井 崇, 安部 望, 金丸 理人, Lefor Alan, 佐田 尚宏
    自治医科大学紀要 38 79-84 2016年3月  
    1999年より経皮内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:PEG)を導入し、2015年3月現在で780症例のPEGを経験した。1999年〜2015年3月に施行されたPEG症例の診療録から、対象疾患・留置したPEGのタイプ・PEG後の早期合併症・造設後の転帰を調査した。対象疾患は悪性腫瘍・脳血管疾患・神経変性疾患が主であった。本学附属病院では当初Push法で導入したが、2007年にIntroducer変法を導入してから手技の移行が見られた。PEG後の早期合併症は出血性合併症と感染性合併症に分けられ、Push/Pull法で感染性合併症が有意に多く、Introducer法では出血性合併症が多い傾向であった。胃瘻造設後30日以内の死亡率は4.0%、経腸栄養目的のPEG症例の1年生存率は68.2%であった。本学附属病院の診療特性上、悪性腫瘍や神経変
  • 松本 志郎, 細谷 好則, 安部 望, 倉科 憲太郎, 河田 浩敏, 佐田 尚宏
    臨床外科 70(13) 1545-1549 2015年12月  
    スキルス胃癌は,内視鏡生検で癌を証明できず,診断に難渋することがある.症例は67歳,女性.内視鏡で,前庭部全周性に粘膜浮腫を認め強い狭搾を呈するが,ボーリングバイオプシーを含む多数の生検ですべて悪性所見はなかった.造影MRIにて前庭部壁肥厚がみられ,拡散強調画像で高信号を呈した.審査腹腔鏡で胃前庭部は著明な壁肥厚を認めた.腹腔鏡下に胃壁の針生検を行い,低分化腺癌の診断が得られ,胃全摘術を行った.摘出標本では粘膜面には癌の露出は認めなかった.内視鏡生検で診断が困難なスキルス胃癌に対して,MRIが補助診断として有効であり,腹腔鏡下胃壁生検で診断することができた.(著者抄録)
  • 目黒由行, 細谷好則, 倉科憲太郎, 瑞木亨, 佐田尚宏, 安田是和
    手術 68(1) 93-96 2014年1月15日  
    80歳男。朝食後に強く咳き込み摂食不良となり、入院にて絶食と抗生剤で加療した。入院10日後の上部消化管内視鏡にて喉頭に有鉤義歯を認め、喉頭鏡を用いて鉗子による摘出を行ったが不可能であった。頸部単純X線、頸部造影CT、喉頭ファイバースコープ各所見にて、喉頭から食道にかかる大型有鉤義歯、食道右壁外の気泡、右総頸動脈背側に及ぶ炎症性変化を認めた。気管切開を行い、切開部から襟状切開を行ったところ複数の穿孔部を認め、約4cmに亘っていた。披裂部に張り出したクラスプを全て外した後に義歯を経口的に摘出した。穿孔部は可及的に全層一層に結節縫合し、穿孔部の口側からチューブ食道瘻を作成した。上腹部正中切開にて開腹し、大網フラップを作成して頸部まで十分に届くようにした。大網は皮下経路で挙上して椎前のスペースと胸郭入口部に充填し、食道の縫合閉鎖部と食道瘻を被覆した。経過は良好で、縫合不全や狭窄は認めなかった。
  • 荒川 由起子, 佐藤 敏子, 倉科 憲太郎
    Nutrition Care (2013秋季増刊) 158-159 2013年11月  
  • 村越 美穂, 佐藤 敏子, 倉科 憲太郎
    Nutrition Care (2013秋季増刊) 160-161 2013年11月  
  • 楜澤壮樹, 熊野秀俊, 森和亮, 小泉大, 倉科憲太郎, 関口忠司
    外科 75(10) 1135-1138 2013年10月1日  
    48歳男性。38歳時に胆嚢結石症に対して他院にてLap C施行の際に術中胆道造影後、胆嚢管に2重クリップをかけてこれを切離した。今回、受診4日前より黄疸が出現し入院となり、腹部CTにて胆嚢管断端に前回Lap Cのクリップが認められた。また、胆嚢管結石ほか、肝内胆管・上部胆管の拡張や3管合流部付近の胆管壁肥厚が認められた。更に内視鏡的逆行性胆管膵管造影でも胆嚢管と総胆管に結石の透亮像がみられ、肝内胆管と上部胆管の拡張、3管合流部付近胆管のなだらかな狭窄が認められた。しかし、同部位からの胆管擦過細胞診および胆汁細胞診では悪性所見は認められなかった。以上より、本症例は遺残胆嚢管結石の総胆管への落石により閉塞性黄疸が発症したものと考え、内視鏡的経鼻胆管ドレナージチューブにより黄疸の改善後に開腹手術が施行された。その結果、経過良好で患者は手術から14日目に退院となり、その後は結石の再発は認めず、外来経過観察中である。
  • 春田英律, 細谷好則, 瑞木亨, 倉科憲太郎, 佐田尚宏, 安田是和
    日本内視鏡外科学会雑誌 18(5) 555-560 2013年9月15日  
    患者は40歳,女性.BMIは37.1kg/m2で,糖尿病,高血圧,脂質代謝異常,脂肪肝を合併していた.肥満症に対し腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を施行した.胃切離3回目の自動縫合器がステープリング不良となり,その内側で再縫合した.術中内視鏡検査では狭窄は認めなかった.液体摂取は可能であり,術後9日目に退院した.退院後より頻回の嘔吐を認め,固形物の摂取は不可能だった.内視鏡検査にて再縫合部が捻れのため狭窄しており,内視鏡的バルーン拡張術では改善しなかった.術後4ヵ月目に腹腔鏡下胃バイパス術を施行した.術後の経過は良好で,肥満関連合併症はすべて治癒した.腹腔鏡下スリーブ状胃切除術では約1%に狭窄の合併症が報告されている.本例ではrevision surgeryが有効であった.(著者抄録)
  • 春田英律, 細谷好則, 倉科憲太郎, 宇井崇, 斎藤心, 瑞木亨, 中野今治, 佐田尚宏, 安田是和
    外科と代謝・栄養 47(4) 99-104 2013年8月15日  
    胃切除術後6年目に発症したビタミンB1欠乏による脚気ニューロパチー、衝心脚気の1例を経験したので報告する。患者は58歳男性。胃癌に対して噴門側胃切除術、近位側空腸嚢間置法による再建術を受けた。術後極端な偏食はなく、通常量の食事を摂取していたが、術後の腹部CT検査や内視鏡検査では、毎回間置空腸嚢内に食物残渣が多量に貯留していた。術後6年目に四肢遠位筋優位の筋力低下、異常知覚、両下腿浮腫、易疲労感が出現した。症状は進行し、乳酸アシドーシスと急性心不全を発症した。血中ビタミンB1値は10(正常値20-50)ng/mlと低値であり、ビタミンB1の静脈内投与により症状は劇的に改善した。胃切除術後長期経過症例であっても、近位側空腸嚢間置法による再建術を受け、間置空腸嚢内に残渣が貯留している症例では、潜在的にビタミンB1吸収障害を来しやすい可能性があり、脚気を含めた栄養吸収障害発症のリスクを考慮する必要がある。(著者抄録)
  • 楜澤壮樹, 森和亮, 倉科憲太郎, 熊野秀俊, 関口忠司
    外科 75(8) 902-906 2013年8月1日  
    89歳女性。排便がなく、食欲が低下し、その数日後より頻回の嘔吐、腹痛が認められるようになった。腹部単純X線所見では拡張した小腸および大腸ガス像が認められた。また、腹部造影CT所見では小腸および大腸の著明な拡張が認められ、直腸S状部には造影効果を伴う壁肥厚像がみられた。更にその口側に内部低濃度、周囲がリング状の高濃度陰影が確認された。以上より、本症例は直腸S状部の狭窄部に種子が嵌頓したことによるイレウスと考え、下部消化管内視鏡検査を行なったところ、直腸S状部に2型病変が認められた。そこで、周性狭窄のため内視鏡の通過は不可能であり、減圧目的に経肛門的イレウス管を挿入した結果、経肛門的イレウス管は翌日には抜けていたが、その後は大量の排便がみられ、腹部症状は改善した。以後、直腸癌・種子嵌頓による腸閉塞の術前診断から待機的手術として下腹部中切開で開腹、直腸S状部には腫瘤が触知され、その口側の腸管は拡張していた。手術はD2リンパ節郭清を伴った高位前方切除術にて一期的に吻合されたが、直腸S状部には全周性35×30mm大の2型病変がみられ、口側腸管にウメの種も認められ、これが嵌頓していた異物と判断した。尚、患者は術後3日目より食事開始し、術後26日目に退院となった。
  • 安部 望, 細谷 好則, 松本 志郎, 春田 英律, 倉科 憲太郎, 瑞木 亨, 安田 是和, 光田 清佳, 遠藤 哲哉, 遠藤 俊
    日本臨床外科学会雑誌 74(6) 1728-1728 2013年6月  
  • 春田 英律, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 瑞木 亨, 宇井 崇, 矢野 智則, 山本 博徳, 菅野 健太郎, 佐田 尚宏, 安田 是和
    Gastroenterological Endoscopy 54(12) 3804-3811 2012年12月  
    65歳男性。胃癌と左腎癌に対して胃全摘術・Roux-en Y再建、左腎摘術を受け、術後2年目に輸入脚症候群による敗血症性ショックを発症。Y脚が腎摘部に落ち込み狭窄しており、輸入脚症候群は慢性化し全身状態不良であった。輸入脚内のドレナージと栄養投与を目的に、経皮内視鏡的十二指腸瘻造設術(D-PED)を施行。ダブルバルーン内視鏡を用いてY脚吻合部を逆行し、十二指腸内に経胃瘻的腸用カテーテルを挿入。チューブ先端を輸出脚内に留置した。D-PED後は輸入脚の拡張は認めず、全身状態の改善が得られ、バイパス手術が可能になった。輸入脚症候群の治療にD-PEDを応用した症例の報告はなく、有効な手技と考えられる。(著者抄録)
  • 春田 英律, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 瑞木 亨, 宇井 崇, 矢野 智則, 山本 博徳, 菅野 健太郎, 佐田 尚宏, 安田 是和
    日本消化器内視鏡学会雑誌 54(12) 3804-3811 2012年  
    A 65-year-old man with gastric cancer and renal cell carcinoma underwent total gastrectomy with a Roux-en Y reconstruction and left nephrectomy. Two years postoperatively, the patient developed septic shock due to afferent loop syndrome caused by adhesions near the nephrectomy site. His afferent loop symptoms worsened over time, and his general condition deteriorated prior to admission. We performed a direct percutaneous endoscopic duodenostomy (D-PED) using double-balloon endoscopy (DBE) to drain the dilated afferent limb and simultaneously feed the patient via the efferent limb using a double lumen gastro-jejunostomy tube. His overall condition improved after the D-PED, and he underwent a duodeno-jejunal bypass three months later. DBE is feasible even at the duodenal stump after a Roux-en-Y reconstruction. This is the first report of a D-PED with DBE.
  • 細谷 好則, 春田 英律, 石橋 俊, 倉科 憲太郎, 瑞木 亨, Alan Lefor, 佐田 尚宏, 永島 秀一, 大須賀 淳一, 安藤 康宏, 江口 和男, 岡島 美朗, 布宮 伸, 竹内 護, 佐藤 敏子, 矢田 俊彦, 多賀谷 信美, 川村 功, 安田 是和
    自治医科大学紀要 35 117-122 2012年  
    内科治療抵抗性の病的肥満症に対して腹腔鏡下Sleeve 状胃切除を自治医科大学附属病院に導入した。適応は日本肥満症治療学会の手術適応に準じて,BMI ≧35kg/㎡の症例,あるいはBMI ≧32kg/㎡で2つ以上の肥満関連症を有する症例で,18-65歳の1次性肥満とした。症例は内科,外科,精神科で症例検討を行い,倫理委員会での承認後に手術を決定した。 2010年7月より腹腔鏡下スリーブ状胃切除を開始し,現在まで8例経験した。男性3人,女性5人,術前の平均年齢44[33-58]歳,体重125[88-193]Kg,BMI は46[35-71]であった。平均手術時間は223分,出血量38cc。術後平均在院期間は10日で,縫合不全や出血などの術後早期合併症はない。1例に胃体部狭窄を来たし,腹腔鏡下Billiopancreatic diversion の再手術を施行した。平均観察期間は490日で,1年以上経過した6例の術後1年での平均BMI は31,超過体重減少率は59%であった。術後1年未満の2例も順調に体重減少を認めている。インスリン治療例は離脱した。脂質代謝異常は3例で治癒した。無月経,膝関節痛などの症状も改善した。 高度先進医療を取得した。当院での短期成績を示すとともに,現時点での本邦における肥満外科治療をレビューした。In July 2010, laparoscopic sleeve gastrectomy for treatment of patients with morbid obesity was introduced at Jichi Medical University Hospital. Decisions to treat surgically are made according to criteria of the Japan Society for the Treatment of Obesity; indications include the following: BMI ≥ 35 kg/m2 or BMI ≥ 32 kg/m2 with co-morbidities; age 18-65; and primary obesity. After consultation with the Departments of Internal Medicine, Surgery, and Psychology, approval of the Ethics committee is obtained. Eight patients( 3 male, 5 female)have been treated. Preoperative median( range) values for this group included the following: age 44( 33-58) years, body weight 125( 88-193) kg, and BMI 46( 35-71). The median operating time was 223 minutes with a mean estimated blood loss of 38 mL. There were no severe adverse events such as leakages or bleeding. Stasis due to twisting of the remnant stomach occurred in 1 patient, who underwent uneventful revision by laparoscopic biliarypancreatic diversion. The median follow-up period was 490 days, and the median BMI 1 year postoperatively for 6 patients was 31, for an excess weight loss of 59%. The other 2 patients have experienced rapid weight loss. All preexisting co-morbidities, including diabetes, hyperlipidemia, and amenorrhea, have resolved. This hospital has received advanced medical technology from the Ministry of Health, Japan. In summary: the outcomes for a series of laparoscopic sleeve gastrectomy procedures in this hospital, and a review of the literature, are presented.
  • 春田 英律, 山内 栄五郎, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 斎藤 心, 瑞木 亨, 宇井 崇, 平嶋 勇希, 佐田 尚宏, 安田 是和
    日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 53(8) 2001-2005 2011年8月20日  
    症例は19歳男性.先天性食道閉鎖症Gross C型で日齢1日目に食道気管瘻結紮切離と胃瘻造設術,生後6カ月目に食道再建術を受けた.術後より吻合部狭窄を併発し,内視鏡的バルーン拡張術などを行うも,再狭窄を繰り返し難治性であった.内視鏡検査では門歯より約27cmに著明な全周性狭窄を認め,食道造影では狭窄距離は約2cmであった.今回,経胃瘻孔的内視鏡と経口内視鏡を併用して磁石圧迫吻合術による狭窄解除術を施行.術後3病日目に磁石同士は接着し,18病日目に落下・排泄された.現在術後2年が経過したが再狭窄なく経過している.磁石圧迫吻合術は難知性吻合部狭窄症例に対して有効な治療法であると考えられる.
  • 畑中恒, 畑中恒, 津久井舞未子, 高田修治, 倉科憲太郎, 崔永林, 曽田学, 山下義博, 春田英律, 春田英律, 濱田徹, 濱田徹, 上野敏秀, 玉田喜一, 細谷好則, 佐田尚宏, 安田是和, 永井秀雄, 菅野健太郎, 間野博行
    自治医科大学紀要 33 194-194 2011年3月  
  • 細谷 好則, 宇井 崇, 倉科 憲太郎, 春田 英律, 斉藤 心, 瑞木 亨, 俵藤 正信, 佐藤 貴一, 山本 徳博, 菅野 健太郎, 長瀬 通隆, 藤井 博文, 柴山 千秋, 中澤 聖則, 三澤 和秀, 和田 政彦, 布宮 伸, 平林 由広, 西野 宏, 宮崎 邦夫, 去川 俊二, 福嶋 敬宜, 仁木 利郎, 丹波 嘉一郎, 佐田 尚宏, 永井 秀雄, 安田 是和
    自治医科大学紀要 33 29-36 2011年3月1日  
    自治医科大学附属病院における食道癌手術成績について報告する。1999年から2009年を対象期間として生存率と術後合併症を評価した。進行癌では集学的治療として,2000-2006年:術前化学放射線療法(低用量FP[5-FU:300mg/m2 Day1-5, CDDP: 3mg/m2 Day1-5]と加速多分割40Gy),2006-07年:術後標準FP[5-FU:800mg/m2 Day1-5, CDDP:80mg/m2 Day1]2コース,2008年以降:術前標準FP2コースを施行した。術式は原則3群リンパ節郭清とした。全体で317例,進行度別の3年生存率はStage0=86%(n=25),StageI=91%(n=54),StageII=79%(n=94),StageIII=56% (n=106),StageIV=11% (n=38)であった。術後に呼吸器合併症6%,縫合不全4%,在院死亡0.6%を認めた。食道癌手術は3領域リンパ節郭清まで施行可能であるが,切除範囲は限界に達している。StageIまでは内視鏡切除や鏡視下手術などのより侵襲の少ない治療が望まれる。StaegII以上ではさらなる集学的治療の開発が重要と考えられる。
  • 森嶋 計, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 笹沼 英紀, 瑞木 亨, 俵藤 正信, 長瀬 道隆, 藤井 博文, 佐田 尚宏, 安田 是和
    日本消化器外科学会総会 65回 238-238 2010年7月  
  • 森嶋 計, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 佐田 尚宏, 田中 亨, 安田 是和
    日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 71(5) 1170-1174 2010年5月25日  
    症例は60歳,男性.主訴は心窩部痛.内視鏡検査では前庭部に全周性2型病変を認めた.腹部造影CTにて胃壁の肥厚,周囲リンパ節の腫大,門脈腫瘍塞栓を認めたが,肝転移はなかった.腫瘍マーカーはCEA 17.9ng/ml,CA19-9 130U/mlと上昇を認めた.幽門側胃切除を施行し,術中所見では右胃大網静脈から上腸間膜静脈,門脈内に腫瘍塞栓を認めたため切除・再建した.組織学的には胃腫瘍は中分化管状腺癌で腫瘍塞栓も同様の所見であり,リンパ節転移も認めた.術後S-1による化学療法を施行し,術後5年7ヵ月の現在無再発生存中である.門脈塞栓を伴う胃癌は予後不良とされるものの,他の遠隔転移がない場合には切除による長期生存が期待できる.(著者抄録)
  • 清水 徹一郎, 瑞木 亨, 倉科 憲太郎, 佐田 尚宏, 安田 是和
    日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 71(3) 702-705 2010年3月25日  
    症例は53歳,男性.心窩部痛を主訴に発症3日目に当科受診.腹部CT検査より十二指腸潰瘍穿孔と診断し緊急手術を施行した.十二指腸球部外側に径3.5cmの穿孔を認めたが,炎症性に癒着した大網や,腸間膜が硬化・短縮した空腸による閉鎖術は困難と判断した.胆嚢を切開してフラップを形成し,漿膜側を縫着して胆嚢パッチによる閉鎖術を施行した.経過良好で術後14日目に退院した.穿孔部の大きい十二指腸潰瘍穿孔の手術において,胆嚢を用いて穿孔部を閉鎖する術式は,大網や空腸が使えない場合に有用な選択肢と考えられた.(著者抄録)
  • 春田 英律, 倉科 憲太郎, 細谷 好則, 宇井 崇, 斎藤 心, 瑞木 亨, 平嶋 勇希, 佐久間 和也, 横山 卓, 渋澤 公行, 安田 是和
    外科と代謝・栄養 44(1) 1-7 2010年2月15日  
    背景:胃切除後にはビタミンB1の吸収が障害され、脚気、アシドーシスなどの発症例も散見される。ビタミンB1が配合されたビーフリード輸液は、2,000ml/日投与した際には静脈栄養時のビタミンB1投与推奨量3.0mg/日が補給できるとされるが、実際には胃切除後にビーフリード2,000ml/日投与していない症例も多い。対象と方法:胃癌にて胃切除術(胃全摘群15例、幽門側胃切除群15例)を受けた患者を対象に、ビーフリード輸液を周術期に1,000mL/日投与し、術前・術後のビタミンB1濃度の測定を行った。結果:血中ビタミンB1値は、両群ともに術前に比較し経口開始前日にわずかに上昇したものの、退院前には胃全摘群4例、幽門側胃切除群5例で基準値28ng/mL以下であった。手術操作や進行度、合併症によるビタミンB1値への影響は認められなかった。結語:胃周術期にはビタミンB1値が低下していることが判り、ビーフリード輸液1,000mL/日以上の投与が推奨されると考えられた。(著者抄録)
  • 平嶋 勇希, 細谷 好則, 春田 英律, 倉科 憲太郎, 斎藤 心, 荒井 渉, 横山 卓, 瑞木 亨, 佐久間 和也, 俵藤 正信, 安田 是和, 永井 秀雄
    栃木県医学会々誌 36 194-195 2006年12月  
    1999年11月〜2006年3月に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行った182例を対象とした。対象の平均年齢は66.0歳(21〜95歳)、男性97例、女性85例で、経口摂取困難に対する栄養投与目的172例、癌性腹膜炎の減圧目的10例、神経変性疾患73例、脳梗塞・脳出血後遺症47例、頭頸部癌による通過障害26例であった。術前検査として採血可能なら腹部CT検査を行った。合併症は創感染が最多で10例(1例は要切開排膿、他は抗生剤投与で保存的に改善)であった。逆流に伴う誤嚥性肺炎が4例、重篤な合併症では臓器損傷として横行結腸瘻孔を1例、PEG挿入1ヵ月以上後の晩期合併症も認めた。他院で入れ替えを試みた際に腹膜炎を併発し、緊急手術を行った症例もあった。
  • 平嶋勇希, 俵藤正信, 斉藤心, 倉科憲太郎, 横山卓, 荒井渉, 細谷好則, 安田是和, 永井秀雄, 笹沼英紀
    日本消化器外科学会雑誌 38(7) 1167-1167 2005年7月1日  
  • 伊澤 祥光, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 斉藤 心, 荒井 渉, 横山 卓, 永井 秀雄
    Progress of Digestive Endoscopy(1348-9844)67巻2号 Page82-83(2005.11) 67(2) 82-jichiyoshi 2005年  査読有り
    60歳女.上腹部不快感が出現し,上部消化管内視鏡でEG junction直下に山田IV型ポリープを1個認めた.内視鏡上は過形成性ポリープであったが,生検で腺癌が検出された.ウレアーゼテスト陽性であり,Helicobacter pylori感染下の胃過形成性ポリープ内胃癌,深達度Mと考えEMRを施行した.ポリープは22×13×12mmで,頂部には核小体明瞭な腫大した核を有する円柱状の異型細胞が乳頭状に増殖しており,その周囲はfoveolar hyperplasiaを呈していた.病理組織学的にはearly gastric cancer in hyperplastic polyp,papillary adenocarcinoma(pap),U,0-I,pT1(m),LM(-),VM(-),ly0,v0であった.EMR後1年で再発兆候はない
  • 齋藤 心, 細谷 好則, 荒井 渉, 俵藤 正信, 横山 卓, 平嶋 勇希, 倉科 憲太郎, 永井 秀雄, 塚原 宗俊, 斎藤 建
    日本消化器外科学会雑誌 38(1) 19-24 2005年  
    症例は82歳の男性で,嚥下困難を主訴に当科入院となった.内視鏡検査で下部食道にほぼ内腔を占める1型腫瘍が認められ,生検にて未分化癌と診断された.遠隔転移を認めず開胸開腹下に手術を施行した.中下部食道〜胃上部を切除し,食道と胃管で再建した.組織学的に食道非小細胞型未分化癌と診断され,pT2, pN1, M0, Stage IIであった.術後3か月で多発肝転移・腹腔内リンパ節再発を認めた.CDDPと5-FUによる化学療法を施行したところ,転移巣はPartial Resoonseとなった.術後9か月の現在外来通院中である.食道非小細胞型未分化癌の本邦報告例は15例であり比較的まれな疾患である.予後不良とされるが,15例中6例に化学療法が施行され奏効率は67%(4/6)であった.放射線単独,手術単独療法での長期生存例の報告もあり,集学的治療による予後の改善が期待できる.
  • 齋藤 心, 細谷 好則, 荒井 渉, 横山 卓, 倉科 憲太郎, 平嶋 勇希, 安田 是和, 永井 秀雄
    日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 46(8) 1472-1477 2004年8月20日  
    67歳女.主訴は食欲低下,嘔気,吐血であった.内視鏡検査で上切歯列より25cm遠位に粘膜の脱落と著明な狭窄を認めた.また,胃体中部に多発する潰瘍が認められた.食道ブジーを行いながら,複数回の生検を施行したが,異型細胞は認められず,病態の原因を明らかにできなかった.家族を含めた詳細な問診により「熱い粥を冷まさずに食べる生活習慣」があることが判り,反復性の熱傷が原因と考えられた.この食習慣を禁止し,投薬とブジーを繰返す治療によりほぼ正常な食生活が可能になった.発症より1年4ヵ月後の内視鏡検査では狭窄は認めたが,食道の粘膜面は再生し,胃の多発性潰瘍は瘢痕となっていた
  • 細谷 好則, 俵藤 正信, 荒井 渉, 横山 卓, 平嶋 勇希, 瑞木 亨, 倉科 憲太郎, 斎藤 心, 安田 是和, 永井 秀雄
    自治医科大学医学部紀要 26 49-54 2003年12月1日  
    早期胃癌に対し腹腔鏡胃切除が広く行われるようになったが,手術手技の困難さから腹腔鏡(補助)下の胃全摘手術の報告は少ない。今回われわれは小開腹による腹腔鏡補助下の胃全摘術を導入したので報告する。上腹部に6cmの小開腹を行い,開腹創をケント鉤で,臍部を皮下鋼線で吊り上げた。4つのポートを挿入し,主に超音波切開凝固装置で大網や小網を切離し,胃支配動静脈は結紮(クリップ)切離した。十二指腸切離,食道空腸吻合は自動吻合器で行った。再建はstick型Roux-en Yとし,Y脚吻合は小開腹創より体外で手縫い縫合で行った。現在まで胃上部早期胃癌3例に施行し,重篤な合併症を認めず,全例再発なく外来通院中である。吊り上げ式を用いた腹腔鏡補助手胃全摘手術は当科独自の方法であり,侵襲軽減や美容面で有用な術式となりうる。しかし症例数も少なく,経験を積み重ねて細やかな経過観察を行い,評価すべきと判断される。
  • 荒井 渉, 細谷 好則, 俵藤 正信, 横山 卓, 斎藤 心, 倉科 憲太郎, 青木 虎男, 安田 是和, 永井 秀雄, 玉田 喜一
    癌と化学療法 29(9) 1651-1655 2002年9月  
    閉塞性黄疸を起こした再発・切除不能胃癌の3例に対し,TS-1の隔日投与を試みた.3症例とも肝機能を含めて全身状態は良好ではなかったが,治療継続が可能であった.2例で化学療法の効果を確認でき,1例は14ヵ月間のlong NCの状態で通院中,1例は腫瘍マーカーの減少を認めた.TS-1は短剤でも高い奏効率(44〜49%)が得られ,かつ通院での治療を維持できる.しかし,骨髄抑制や皮膚障害,消化器障害などを認めることがあり,減量や休薬を余儀なくされることがある.TS-1の隔日投与は,抗腫瘍効果を維持しつつ有害事象の発現を軽減させる長期投与法として展望があると思われた
  • 細谷好則, 倉科憲太郎, 荒井渉, 俵藤正信, 笹沼英紀, 斉藤心, 安田是和, 永井秀雄
    日本消化器外科学会雑誌 34(7) 1136-1136 2001年7月1日  

講演・口頭発表等

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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