岩見 大基, 三浦 正義, 谷口 明久, 関 利盛, 富樫 正樹, 原田 浩, 平野 哲夫, 小川 弥生, 佐藤 英俊
市立札幌病院医誌 64(2) 167-173 2004年12月
尿路限局アミロイドーシスの3例(79歳女,77歳男,50歳女)を経験した.主訴は無症候性肉眼的血尿,肉眼的血尿,頻尿であった.1例は,術前に尿管壁・膀胱前壁の一部にALタイプのアミロイドの沈着がみられたが,悪性腫瘍の合併(尿細胞診:class V)を否定しきれず,用手補助下腎尿管全摘出術を行った.残り2例は,膀胱癌のため経尿道的膀胱腫瘍切除術を行った.尿管間質や腫瘍周囲には弱酸性の均質無構造物質の沈着を認め,それらはアミロイド染色陽性で,過マンガン酸処理に抵抗性であった.術後,血尿や腫瘍の再発は認められない