玉腰 暁子, 石川 鎮清, 尾島 俊之, 菊地 正悟, 小橋 元, 斎藤 有紀子, 杉森 裕樹, 中村 好一, 中山 健夫, 武藤 香織, 山縣 然太朗, 鷲尾 昌一
医療と社会 9(2) 55-68 1999年
主に以下の3つの研究を行った。<BR>1.疫学研究におけるインフォームド・コンセント(以下IC)の実態調査<BR>日本における疫学研究のICの現状について明らかにした,初めての研究である。233名(70.6%)の研究者が何らかの説明を行っており,156名(47.3%)が研究参加の同意も確認したと回答した。<BR>2.一般住民に対する疫学研究の倫理的問題に関する意識調査<BR>本調査を通じて,どのような健康情報の提供を求められているかによって,対象者が研究に関する情報を必要とする程度が異っていることが明らかになった。<BR>3.諸外国における疫学研究の倫理的問題についての情報収集および整理<BR>イギリスとアメリカの医療記録に関するアクセスについての法的・倫理的な状況について検討した。さらに,ICを巡る法的側面についての課題についての検討を行った。<BR>疫学研究におけるICのための倫理的なガイドラインを策定するに向けて,より多くの議論の機会を持つことが重要である。