永山 学, 礒田 憲夫, 佐藤 光亮, 井野 裕治, 豊田 亮, 西村 直之, 吉澤 充代, 大竹 俊哉, 東澤 俊彦, 川田 浩, 鯉沼 広治, 安田 是和, 原嶋 宏樹, 弘中 貢, 菅野 健太郎
肝臓 51(3) 127-134 2010年3月25日
症例は53歳の女性.2006年頃から腹部膨満感を自覚した.2008年5月,近医での腹部超音波にて巨大な腹腔内嚢胞性病変を指摘され当科を受診した.腫瘍マーカーは基準値内であり,画像検査では肝左葉由来の単房性嚢胞性病変を認め,多数の壁在結節を有していた.胆管嚢胞腺癌の術前診断で,当院外科にて肝左葉切除術を施行した.病理組織学的検査にて乳頭状隆起は粘液円柱上皮で構成され,分裂像,核異型を認め,胆管嚢胞腺癌と診断した.卵巣様間質や胆管との交通は明らかでなかった.免疫染色ではMUC5ACがびまん性に陽性,MUC1は一部陽性で,MUC2とMUC6は陰性であり,胃腺窩上皮細胞の粘液形質を有していた.過去の報告例の検討でも同様に胃腺窩上皮細胞の粘液形質を示す傾向を認めた.<br>