基本情報
研究分野
1論文
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Surgery today 54(8) 857-865 2024年8月PURPOSE: Low anterior resection syndrome (LARS) causes devastating symptoms and impairs the quality of life (QOL). This study investigated the incidence and risk factors of LARS and their association with the QOL in patients with lower rectal tumors. METHODS: Patients who underwent anus-preserving surgery for lower rectal tumors between 2014 and 2019 and who had anal defecation between 2020 and 2021 were surveyed. The LARS score measured severity, and the QOL was evaluated using the Japanese version of the Fecal Incontinence Quality-of-Life Scale (JFIQL). The primary endpoint was the incidence of Major LARS, and the secondary endpoints were risk factors and association with the JFIQL. RESULTS: Of 107 eligible patients, 82 (76.6%) completed the LARS survey. The incidence of Major LARS was 48%. Independent risk factors included neoadjuvant chemoradiotherapy (CRT) and a short interval (< 24 months after surgery; odds ratio, 4.6; 95% confidence interval: 1.1-19, both). The LARS score was moderately correlated with the JFIQL generic score (correlation coefficient: - 0.54). The JFIQL scores were significantly worse in the Minor and Major LARS groups than in the No LARS group. CONCLUSIONS: Major LARS was found in 48% of lower rectal tumors, and independent risk factors include neoadjuvant CRT and a short interval. The QOL was significantly impaired in patients with both Minor and Major LARS.
MISC
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日本大腸肛門病学会雑誌 72(4) 165-170 2019年4月症例は43歳女性。S状結腸癌、転移性肝腫瘍、左卵巣腫瘍に対し腹腔鏡下S状結腸切除・肝部分切除・左付属器切除術が施行された。術後4ヵ月目に発症した絞扼性腸閉塞に対して緊急手術が施行された。原因はS状結腸の腸間膜欠損部と初回手術時に温存された上直腸動脈間が門となる内ヘルニアであった。小腸部分切除、腸間膜欠損部の縫合閉鎖を行った。腹腔鏡下大腸切除手術後、腸間膜欠損部が原因の内ヘルニアの発生率は少なく、腸間膜欠損部は閉鎖しないことが一般的である。本症例は、S状結腸が過長で、腸間膜と後腹膜の癒合が少ないという特徴があった。このような症例では術後の癒着による腸間膜欠損部の閉鎖がされず、内ヘルニアのリスクが高いと考えられ、閉鎖すべきと考えられた。(著者抄録)
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自治医科大学紀要 41 7-13 2019年3月右側結腸手術の周術期管理に、Enhanced Recovery After Surgeryプロトコル(ERAS)を導入したので短期成績を報告する。2014年6月から2017年10月に行われた右側結腸手術症例をERAS群、2010年1月から2014年5月の症例を従来群とし、後方視的に検討した。ERAS群では、機械的前処置の省略、術直後の胃管抜去、早期経口摂取開始を新たに採用した。ERAS群182例(腹腔鏡103例、開腹79例)、従来群202例(腹腔鏡84例、開腹118例)であった。腹腔鏡手術では、ERAS群と従来群で手術関連因子、術後合併症に差は認めなかった。開腹手術では、表層性の創部感染の発生率はERAS群で有意に高かった(ERAS群12.7%:従来群2.5%)が、Clavien-Dindo分類2以上の術後合併症はERAS群で有意に低かった(ERAS群3.8%:従来群18.6%)。右側結腸手術において当科のERASプロトコルは安全に導入可能である。(著者抄録)
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日本外科系連合学会誌 43(6) 1143-1148 2018年12月症例は48歳,女性.数日前からの血便を主訴に当院を受診した.腹部造影CTでは,腹腔内に腹水貯留やfree airは認められなかった.両側の卵巣には嚢胞成分を含む腫瘤性病変を認め,特に右卵巣は内部に高吸収域を有し直腸に近接していた.卵巣腫瘍による直腸浸潤もしくは直腸腫瘍による卵巣浸潤が疑われ,精査目的に同日緊急入院となった.下部消化管内視鏡を施行したところ,直腸Raに毛髪が付着した腫瘤が穿通している所見を認めた.卵巣奇形腫の直腸穿通が疑われたが腹膜炎所見を認めなかったため,待機的手術の方針とした.良悪性の鑑別が困難であったため,術中迅速病理所見により切除範囲を検討する方針とし,入院第9日目に手術を施行した.術中所見では両側の卵巣・直腸・子宮が一塊となっており両側附属器切除術・低位前方切除術・子宮全摘術を施行した.迅速病理では卵巣成熟嚢胞性奇形腫の診断であり,リンパ節郭清は行わず,手術終了とした.経過良好で術後10日目に退院となった.卵巣成熟嚢胞性奇形腫による消化管穿通例の報告は比較的稀である.良性症例だけでなく悪性症例も存在し,手術対応が異なるため,正確な術前術中診断が必要である.(著者抄録)
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GASTROENTEROLOGY 154(6) S1351-S1351 2018年5月0
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日本内視鏡外科学会雑誌 23(3) 297-303 2018年5月<文献概要>当科におけるシニアレジデントに対する腹腔鏡下結腸切除術トレーニングプログラムの結果を報告する.2014年4月から2017年3月までに20名が参加した.初期1ヵ月にカメラ助手を経験後,1日間の動物実習,残り3ヵ月間に内視鏡外科技術認定医指導下に術者を経験した.63症例の手術がレジデントにより施行された.回盲部切除術(40例)とS状結腸切除術(23例)の手術時間(中央値)はそれぞれ190分と232分であった.51/63例(81%)で術者交代なく完遂されていた.術後,縫合不全やイレウスなどの重篤な合併症は認められなかった.シニアレジデントによる腹腔鏡下結腸切除術は本プログラム下に安全に施行されていた.
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DISEASES OF THE COLON & RECTUM 60(6) E222-E223 2017年6月
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日本大腸肛門病学会雑誌 70(4) 227-232 2017年4月症例は31歳女性.3ヵ月前からの便秘を主訴に近医を受診した.大腸内視鏡検査で直腸腫瘍を認め,Boring生検で神経鞘腫と診断され当院に紹介された.直腸診では肛門管上縁前壁に有茎性腫瘤を触知した.大腸内視鏡検査では歯状線口側に約50mm大の粘膜下腫瘤を認め,超音波内視鏡では粘膜下層由来の腫瘍が疑われ,Boring生検で神経鞘腫と診断された.CTでは内部にまだらな造影効果を認め,MRIではT2強調で高信号,不均一な造影効果を有する有茎性腫瘍として描出された.手術待機期間中に腫瘍が肛門から脱出し,救急外来にて用手的に還納を行った.治療は腰椎麻酔下にジャックナイフ位で経肛門的切除術を施行した.切除標本の病理組織診断では,悪性所見のない神経鞘腫で断端は陰性であった.直腸神経鞘腫は稀な疾患であるが悪性例の報告もあり,また生検だけでは良悪性の鑑別は困難とされているため,文献的考察を加え報告する.(著者抄録)
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自治医科大学紀要 39 15-21 2017年3月左側大腸癌イレウス治療における経肛門イレウス管の適応と限界について後方視的に検討した。2006〜2011年に当科で手術治療を施行した左側大腸癌イレウス59症例を経肛門イレウス管減圧群(DC群)と非減圧群(NDC群)の2群に分け治療成績を比較した。イレウス管留置成功率は89%であった。DC群25例中、一期的切除吻合術が施行できたのは13例(52%)のみであった。7例(28%)では減圧したにも関わらずストマ造設のみ施行されており、原因として減圧不良(4例)、血清アルブミン低値(3例)、骨盤内他臓器浸潤(2例)があげられた。一期的切除吻合を目的とした経肛門イレウス管挿入は遠隔転移や高度局所浸潤がなく栄養状態良好症例には良い適応と考えられた。一方、栄養状態不良症例には術前経口摂取が可能となるステント挿入を、遠隔転移や高度局所浸潤症例に対してはストマ造設を選択すべきと考えられた。(著者抄録)
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癌の臨床 63(1) 7-12 2017年2月クリニカルパスを用いて周術期管理を行った直腸癌前方切除症例94例を対象とし、以前のクリニカルパスで周術期管理を行った40例(男性21名、女性19名、65±10歳;5日目食事開始パス群)と経口摂取を早めたクリニカルパスで周術期管理を行った54例(男性33名、女性21名、61±12歳;2日目食事開始パス群)に分けた。手術に関しては、2日目食事開始パス群で腹腔鏡の手術の割合が増加した。入院中の経過は、術後在院日数は両群とも平均12日でパス通りであった。バリアンスでは2日目食事開始パス群において飲水や流動食開始遅延が有意に多く認められたが、退院が13日目以降に遅延した症例は2群間で有意差がなかった。ドレーン挿入留置期間も2群間で有意差を認めなかった。術後合併症は、SSIおよび縫合不全症例は2群間で有意差を認めなかった。一過性腸管麻痺を含めた術後イレウスが2日目食事開始パス群で有意に減少した。尿道カテーテル抜去後の尿閉の発症頻度は2日目食事開始パス群で少なかった。退院後の経過では2群とも再入院や再手術を要する症例は一例も認めなかった。
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JOURNAL OF THE AMERICAN COLLEGE OF SURGEONS 223(4) E8-E9 2016年10月
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Clinical Journal of Gastroenterology (Web) 9(1) 1‐6 (WEB ONLY) 2016年2月
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Gastroenterological Endoscopy 57(Suppl.2) 2152-2152 2015年9月
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DISEASES OF THE COLON & RECTUM 58(5) E369-E369 2015年5月
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臨牀と研究 91(5) 687-691 2014年5月2007年12月〜2011年4月までに癌性腹水に対するデンバー腹腔静脈シャント(シャント)挿入症例10例(男性4名、女性6名:平均年齢65歳)を対象に、シャントの挿入と管理について検討した。疾患の内訳は膵臓癌5例、卵巣癌3例、大腸癌1例、胆管細胞癌1例である。退院できたのは7例で、電車通勤を再開した例もあった。死亡原因は原疾患の増悪で、シャント挿入によるものはなかった。シャント挿入後、腹囲と体重は有意に改善し、再度の腹水穿刺を必要とした例はなかった。退院率は術前BUN上昇例で有意に低く、正常上限内の例は全例で退院可能であったことより、術前BUNは退院可否の指標となりうると思われた。細菌性腹膜炎治療は持続的携行式腹膜透析での腹膜炎治療法を参考とした。シャント閉塞例は2例で、消化管出血例や肺塞栓や播種を疑う例は認めなかった。以上より、シャントは、挿入による合併症を防止すれば自宅で日常生活が可能で、腹水穿刺より大きな利点があると考えられた。
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日本外科学会雑誌 115(2) 780-780 2014年3月5日
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日本外科学会雑誌 115(2) 659-659 2014年3月5日
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日本外科学会雑誌 115(2) 649-649 2014年3月5日
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日本外科学会雑誌 115(2) 1025-1025 2014年3月5日
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癌と化学療法 40(7) 943-945 2013年7月症例は64歳の男性。直腸癌、腹膜播種、肺転移に対して低位前方切除術を施行後mFOLFOX6+bevacizumab(BV)療法を導入した。28コース目のBV投与26日目に腹痛、発熱が出現、CT検査で骨盤内膿瘍とfree air、虫垂内の石灰化を認め緊急手術を施行した。虫垂穿孔による膿瘍形成を認め虫垂切除・膿瘍ドレナージ術を施行した。術後2日目に骨盤内留置ドレーンより腸液の流出を認め、再手術を行ったところ回腸穿孔を認めた。穿孔部は境界明瞭な円形であり、播種など腫瘍性変化は認めず、単純閉鎖術を行った。再手術後は経過良好で、初回術後19日で退院した。虫垂の病理学的所見は直腸癌播種の腫瘍崩壊による穿孔を示唆していた。消化管穿孔はBVの重篤な副作用の一つである。本症例では短期間に二度、異なる部位に消化管穿孔を認め貴重な症例と考え報告する。(著者抄録)
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日本外科学会雑誌 114(2) 823-823 2013年3月5日
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日本臨床外科学会雑誌 74(2) 352-356 2013年2月2007年9月から2012年5月にBevacizumab(以下BV)併用化学療法を施行した進行・再発大腸癌228例中,消化管穿孔は6例(2.6%)に認めた.症状出現から診断までは6-244時間(中央値85)で,軽度な腹部症状で発症し,全例独歩来院であった.全例手術治療を行い,5例は軽快退院,1例は腹膜炎の軽快後原疾患増悪にて21日目に死亡した.2例で創傷治癒遅延を認めたが,重篤な合併症は認めなかった.穿孔原因は憩室,多発潰瘍,播種細胞破綻等であった.原発巣の穿孔症例はなかった.今回の検討では,BV関連消化管穿孔は発症時の症状は軽微,かつ全身状態は比較的良好で,診断に至るまで長時間を要していた.全例手術を行い良好な結果が得られた.担癌,化学療法中であるが手術リスクが極めて高いとは言えず,外科的治療を迅速に行うべきと考えられた.(著者抄録)
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ANNALS OF ONCOLOGY 23 131-131 2012年10月
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GASTROENTEROLOGY 142(5) S706-S706 2012年5月
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日本外科学会雑誌 113(2) 355-355 2012年3月5日
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日本外科学会雑誌 112(1) 310-310 2011年5月25日
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日本外科学会雑誌 112(1) 796-796 2011年5月25日
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日本外科学会雑誌 112(1) 726-726 2011年5月25日
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DISEASES OF THE COLON & RECTUM 54(5) E143-E144 2011年5月
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ENDOSCOPY 43 E38-E39 2011年1月
共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2025年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2020年4月 - 2023年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2019年4月 - 2022年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2017年4月 - 2020年3月