松本 順, 松本, 順, 渡辺裕昭, 渡, 村山 梓, 中神 理恵子, 村田 光延, 北條 行弘, 三橋 武司, 島田 和幸, 森澤 雄司, 刈尾 七臣
Shinzo 43(11) 1431-1436 2011年
症例は30歳, 男性. 2009年3月, 呼吸困難とふらつきを主訴に前医受診. 重症貧血(Hb 2.8g/dL)のため前医入院. 入院4日目にショックとなり精査加療目的で当院紹介. 来院時の心エコーにて多量の心膜液を認め心タンポナーデと診断. 緊急ドレナージにて悪臭を伴う膿性の心膜液が725mL排液された. ドレナージ前の胸部X線CT検査で心腔内にairが認められ心膜液の培養から4種の細菌が同時に検出されたため消化管穿通による化膿性心膜炎が考えられた. 全身状態が悪く, 手術適応はないと判断し心ドレナージと抗生物質の経静脈的投与による保存的加療を行った. 今回, われわれは食道穿通によると思われる多種起因菌性重症化膿性心膜炎の1例を救命し得たので文献的考察を加え報告する.