濵田 千枝美, 淺田 義和, 八木 街子, 岡本 華枝, 万代 康弘
日本シミュレーション医療教育学会雑誌 12 63-67 2024年
本邦において, シミュレーション教育の必要性が認識され,卒前・卒後の様々な場面で導入されている.しかしながら,シミュレーションを実施することが目的となっている場合も散見されている.シミュレーション教育は,安全な学習環境の中での経験から学び,その学びを臨床へつなぐ橋渡し的な役割である.
本パネルディスカッションでは「シミュレーション教育と現場を繋ぐための工夫として,まず,「シミュレーション」と「現場」との間にはどのような特徴や関係性があるのかについて俯瞰した後に(1)現場実践を可能にする実習プログラムデザイン,(2)ブレンド型のシミュレーション教育,(3)看護実践能力を育むゴール達成型学習デザイン(GOLDメソッド)の応用を紹介した.総合ディスカッションにおいては,カークパトリックモデルのニューモデルを参考にシミュレーション教育を導入する場合もそのアウトカムから考え,そのアウトカムを達成するためにシミュレーションを導入することが効果的であるか考えることでより,現場との繋がりを強化することが可能になることも再認識する機会となった.