高澤 摩耶   梅本 尚可   山田 朋子   長野 寿人   山本 直人   辻仲 眞康   田中 亨   伊東 慶悟   出光 俊郎   
皮膚科の臨床 63(12) 1933-1937 2021年11月
<文献概要>82歳,男性。肛門を中心に径4cm大で境界明瞭,一部に色素脱失を伴う濃淡不整の黒色斑を認めた。生検後診断は色素性Bowen病であった。半年後に隆起してきた部位を切除した病理組織検査で,表皮内にメラニン沈着,Paget細胞を伴う異型細胞の腺管形成があり,CK7+,CK20-,CDX2-,GCDFP15-であった。内視鏡検査では明らかな腫瘤性病変は認めなかったが,肛門腺由来肛門管癌の続発性乳房外Paget病を考え,直腸切断術を施行し,肛門管癌と診断した。肛門周囲の黒色病変では,乳房...