玉井 秀明   堀田 訓久   瀧澤 裕   後藤 卓子   丹羽 康則   平 幸輝   
日本ペインクリニック学会誌 30(1) 1-4 2023年1月
Bell麻痺の多くは予後良好であるが,治療に難渋する患者をしばしば経験する.今回,発症後2ヵ月間の治療で全く改善の見られなかった重度Bell麻痺の患者に対して鍼灸治療を行い,麻痺の改善を認めた症例を経験したので報告する.症例は67歳の女性.Bell麻痺の発症当日からステロイドが投与されたが,発症1ヵ月後の麻痺スコアは,柳原40点法で0点と重度であった.麻酔科を受診し,星状神経節ブロック(SGB)およびsilver spike point(SSP)療法を9回施行したが,麻痺の改善が全く見られ...