織田 聖月   河野 哲也   中村 啓子   小島 朋子   細田 健太   猪山 和美   守川 春花   岡部 直太   蛭田 昌宏   田中 亨   大城 久   
埼玉県臨床細胞学会誌 41 38-43 2023年6月
【背景】膵神経内分泌腫瘍の細胞診断の際には,その特徴的な細胞所見を把握することが重要である.今回,典型的な膵神経内分泌腫瘍の1例を経験したので,その細胞所見を報告する.【症例】40歳代,男性.発熱と上腹部痛を主訴に近医を受診し,腹部造影CTで膵頭部に2cm大の腫瘤を認めたため,精査加療目的で当院に紹介受診となり,超音波内視鏡下膵穿刺吸引細胞診が施行された.そのPapanicolaou染色標本では,類円形核を呈する異型上皮様細胞が結合性の緩い充実性集塊~孤立性に出現しており,ロゼット配列や索...