田口 昌延   山口 博紀   佐田 尚宏   
膵臓 35(2) 193-200 2020年4月 [査読有り]
膵癌の5年相対生存率は他の消化器癌と比較して著しく低く,膵癌は難治性癌の筆頭である.この疾患から長期生存を得る最良の方法は局所を根治切除し,術後に全身補助化学療法を行うこととされてきた.現在,膵癌のさらなる治療成績向上を目指し,術前治療が行われている.ここでは膵癌術後補助化学療法と術前治療について,最新の知見に基づいて解説する.JASPAC01試験からS-1による術後補助化学療法はわが国における標準治療になった.近年,FOLFIRINOX療法による補助化学療法の有用性が海外より報告された....