為本 浩至, 佐久間 由紀, 吉田 昌史, 浅野 智子, 木本 瑞穂, 村田 美保, 生駒 亜希, 斎藤 智之, 石川 三衛, 富永 眞一, 川上 正舒
自治医科大学紀要 32 17-27 2010年3月1日
2002年に受診していた糖尿病患者298名について微量アルブミン尿の有無および血清クレアチニン値から計算した推定糸球体ろ過率(GFR)と最長6年後までの新規大血管症発症の関係を後ろ向きに調査した。アルブミン尿陰性群181名の無イベント生存率0.91に対してアルブミン尿陽性群117名では0.68で有意に低値であった。eGFR≧60ml/min/1.73m2の243名の無イベント生存率は0.85に対してeGFR<60ml/min/1.73m2の53名は0.65で有意に低値であった。アルブミン尿陰性群のうちでeGFR≧60ml/min/1.73m2の165名とeGFR<60ml/min/1.73m2の16名を比較すると無イベント生存率に有意差を認めなかった。本研究は後ろ向き研究であり追跡率が50%程度であるため限界がある。今後前向き研究を要する