定形 綾香, 佐藤 健夫, 沢田 哲治, 小宮 明子, 山口 晃弘, 三崎 義堅, 山本 一彦
関東リウマチ 34 120-133 2000年12月
Salmonella(0-9,H-G)菌血症を呈したSLEの2症例を報告した.症例1は28歳の女性で治療開始前で,症例2は25歳女性で副腎皮質ステロイド剤及び免疫抑制剤による治療中であった.いずれの症例においても,SLEの活動性の上昇との鑑別が問題となりうるが,血液培養によりSalmonellaが同定されたため,適切な抗生剤治療を行いつつ,SLEに対する免疫抑制療法を行い,良好な経過をとった.Salmonella菌の感染経路はいずれも不明である.胃腸炎の症状は乏しく,入院中発症したことから,無症候性慢性保菌状態にあったものが,SLEの活動性の上昇,或いは免疫抑制療法により,菌血症を呈するに至ったと考えられる.Salmonella菌血症の死亡率は20~30%と報告されており,このような病態を鑑別することはSLEの治療を行っていく上で重要と考えられた