上中麻希, 沼尻敏明, 西野健一, 素輪善弘, 小森敏史, 北嶋渉, 花田圭司, 小西啓介
皮膚の科学 8(2) 217-221 2009年8月 査読有り
症例は62歳,男性。アルコール多飲歴とアルコール性肝障害の既往がある。身体所見や画像所見上,項部や両肩甲部,腰部に両側対称性びまん性に広がる脂肪塊を認めた。臨床像より多発性対称性脂肪腫症と診断した。項部と腰部について全身麻酔下に摘出術を行った。項部は脂肪吸引を用いたが,脂肪塊は線維質と血流に富んで破砕しがたく,吸引は困難であった。腰部では内視鏡補助下に行い,術野をモニターで確認することができ安全であった。また切開を最小限とすることができ有用であった。