松村 聡子, 中平 光彦, 菅澤 正, 小村 豪, 高城 文彦, 盛田 恵, 安部 貴大, 嶋村 由美子, 横川 秀樹, 廣川 詠子
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 83(4) 272-274 2011年4月
57歳男。3ヵ月前からの咽頭違和感を主訴とし、1ヵ月前からは両側頸部腫脹も出現した。下咽頭・頸部食道癌T4aN2cM0:stageIVAと診断し、化学放射線治療の方針となったが、初診から17日目に右頸部から前胸部にかけて激痛が出現した。疼痛部に皮膚発赤があり、1ヶ所自壊していた。CTで右頸部リンパ節転移巣を中心とした軟部組織の肥厚と、前胸部から右腋窩にかけて浮腫を伴った皮下組織の腫脹を認めた。頸胸部蜂窩織炎として治療を開始したが、8時間後ショック状態となった。入院時より皮膚潰瘍の増悪と発赤の拡大を認めて壊死性筋膜炎を疑い、異常皮膚の一部切開により悪臭と皮下に広範な壊死組織を認め、確定診断を得た。デブリードマン、抗菌薬(DRPM、CLDM)投与等を行った。急変時に採取した組織間液の培養結果はC群β-Streptococcus 3+、G群β-Streptococcus 1+、Prevotella intermedia 3+であった。全身状態が改善し初診から70日目に下咽頭癌に対する治療が開始できた。現在は緩和ケアとなった。