医学部 病理学講座

田中 亨

タナカ アキラ  (Akira Tanaka)

基本情報

所属
自治医科大学 医学部病理学講座人体病理学部門 教授

J-GLOBAL ID
201401005974279258
researchmap会員ID
B000238406

外部リンク

経歴

 1

論文

 15
  • 小島 朋子, 河野 哲也, 猪山 和美, 細田 健太, 織田 聖月, 中村 啓子, 近澤 研郎, 今井 賢, 守川 春花, 岡部 直太, 蛭田 昌宏, 田中 亨, 大城 久
    埼玉県臨床細胞学会誌 41 80-83 2023年6月  
    【背景】体腔液中に出現する反応性中皮細胞は,ときに悪性細胞との鑑別を要する.今回,卵巣癌の術中腹水細胞診で腺癌細胞との鑑別を要した反応性中皮細胞の1例を経験したので,その所見を報告する.【症例】患者は40歳代女性で,下腹部痛と腰痛を主訴に当センターを紹介受診した.CT・MRI検査にて腹膜転移を伴う卵巣癌が疑われた.入院後,子宮および両側付属器,腹膜結節,大網切除術を施行し,術中腹水細胞診検査を行った.その腹水細胞診標本では,炎症性背景に,多空胞状でライトグリーン淡好性の細胞質を有するやや大型の細胞集塊が少量認められた.明細胞癌を含めた腺癌細胞との鑑別を要したが,核の腫大や核クロマチンの濃染性,核形不整,核・細胞質比の増高はいずれも軽度で,細胞質は小空胞状を示し,細胞の重積性は目立たなかった.よって,細胞判定は陰性とし,中皮細胞の反応性変化と報告した.最終的な病理診断は右付属器原発の高異型度漿液性癌,骨盤外腹膜転移あり,大網転移なし,FIGO Stage IIIC期となった.【結論】腹水の細胞診断において中皮細胞の形態学的多様性を理解することは,腺癌を含めた悪性細胞との鑑別に有用と考えられる.(著者抄録)
  • 辻 賢太郎, 河田 浩敏, 安藤 梢, 三浦 珠希, 仁木 利郎, 田中 亨, 福嶋 敬宜
    日本病理学会会誌 110(1) 305-305 2021年3月  
  • 仲矢 丈雄, 大城 久, 斎藤 匠, 佐久間 康成, 曽我部 将哉, 山本 真一, 辻 賢太郎, 仲矢 道雄, 遠藤 俊輔, 堀江 久永, 佐田 尚宏, 仁木 利郎, 田中 亨
    日本癌学会総会記事 78回 E-2106 2019年9月  
  • 仲矢 丈雄, 大城 久, 斎藤 匠, 佐久間 康成, 堀江 久永, 佐田 尚宏, 田中 亨
    日本病理学会会誌 108(1) 303-303 2019年4月  
  • Takeo Nakaya, Hisashi Oshiro, Takumi Saito, Yasunaru Sakuma, Hisanaga Horie, Naohiro Sata, Akira Tanaka
    International journal of clinical and experimental pathology 11(6) 3141-3146 2018年  
    We report a unique case of a 74-old man, who presented with double cancers, showing metastasis of pancreatic cancer to colon cancer. Histopathological examination after surgery revealed that the patient had ascending colon cancer, which metastasized to the liver (pT4N0M1), as well as pancreatic cancer (pT2N1M1) that metastasized to the most invasive portion of the colon cancer, namely the serosal to subserosal layers. Although the mechanisms for this scenario have yet to be elucidated, we speculate that the metastatic pancreatic carcinoma overtook the stromal microenvironment of the colon cancer. Namely, the cancer microenvironment enriched by cancer-associated fibroblasts, which supported the colon cancer, might be suitable for the invasion and engraftment by pancreatic carcinoma. The similarity of histological appearance might make it difficult to distinguish metastatic pancreatic carcinoma within colon cancer. Furthermore, the metastasis of pancreatic carcinoma in colon carcinoma might be more common, despite it not having been previously reported.

MISC

 14
  • 村上明子, 廣澤拓也, 大竹俊哉, 渡邊俊司, 礒田憲夫, 田中亨, 福嶋敬宜, 菅野健太郎
    日本内科学会関東支部関東地方会 593rd 29-29 2012年12月  
  • 高岡良成, 礒田憲夫, 東澤俊彦, 渡邊俊司, 廣澤拓也, 津久井舞未子, 大竹俊哉, 宮田なつ美, 藤枝毅, 長嶺伸彦, 眞田幸弘, 安田是和, 田中亨, 福嶋敬宜, 菅野健太郎
    肝臓 53(Supplement 3) A979-A979 2012年10月30日  
  • 齋藤 心, 細谷 好則, 宇井 崇, 田中 亨, 佐田 尚宏, 安田 是和
    日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 72(1) 54-57 2011年1月25日  
    症例は60歳の女性で主訴は嚥下障害.内視鏡と食道造影は食道アカラシアに典型的所見であった.CTで脾臓内に複数の結節病変を認めたが確定診断にいたらなかった.腹腔鏡下にHeller-Dor手術と脾臓,噴門部リンパ節,食道の生検を行った.組織学的には脾臓および噴門リンパ節は乾酪壊死を伴わない肉芽腫を認め,食道壁には肉芽腫はなかった.稀ではあるが食道あるいは食道周囲リンパ節にサルコイドーシスがおよぶとpseudoachalasiaを呈することがある.噴門リンパ節サルコイドーシスとアカラシアの合併,ならびに腹腔鏡下の脾臓サルコイドーシス生検診断法は,いずれも本邦ではじめての報告となる.(著者抄録)
  • 森嶋 計, 細谷 好則, 倉科 憲太郎, 佐田 尚宏, 田中 亨, 安田 是和
    日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 71(5) 1170-1174 2010年5月25日  
    症例は60歳,男性.主訴は心窩部痛.内視鏡検査では前庭部に全周性2型病変を認めた.腹部造影CTにて胃壁の肥厚,周囲リンパ節の腫大,門脈腫瘍塞栓を認めたが,肝転移はなかった.腫瘍マーカーはCEA 17.9ng/ml,CA19-9 130U/mlと上昇を認めた.幽門側胃切除を施行し,術中所見では右胃大網静脈から上腸間膜静脈,門脈内に腫瘍塞栓を認めたため切除・再建した.組織学的には胃腫瘍は中分化管状腺癌で腫瘍塞栓も同様の所見であり,リンパ節転移も認めた.術後S-1による化学療法を施行し,術後5年7ヵ月の現在無再発生存中である.門脈塞栓を伴う胃癌は予後不良とされるものの,他の遠隔転移がない場合には切除による長期生存が期待できる.(著者抄録)
  • 津久井 舞未子, 礒田 憲夫, 大竹 俊哉, 東澤 俊彦, 大澤 博之, 佐藤 慎, 砂田 富美子, 小野 和則, 長嶺 伸彦, 井戸 健一, 菅野 健太郎, 桃谷 孝之, 四元 茂, 田中 亨
    肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA 49(5) 200-208 2008年5月25日  
    自己免疫性肝炎(AIH)は中年女性に多く,潜在性,慢性に進行することが多い.一般的に,組織ではinterface hepatitisや炎症細胞浸潤,ロゼット形成などが特徴的である.今回,我々は,若年男性で急性発症し,経時的に腹腔鏡観察した自己免疫性肝炎の1例を経験した.初回の腹腔鏡観察では,AIHに特徴的な所見は認めず,2回目の観察では肝臓全体が萎縮し,赤色紋理を認めた.3回目は,肝のさざなみ状変化や赤色紋理が目立ち,斑紋形成を認めた.3回とも自己免疫性肝炎のスコアリングシステム上は疑診に留まっていた.病理組織像は中心静脈周囲の傷害が著しく,AIHとしては非典型的であった.プレドニゾロン40 mgを開始したところ,肝機能は改善し,IgG値,抗核抗体の抗体価は速やかに低下した.現在,プレドニゾロン5 mgで維持しているが,再燃傾向はない.原因不明の肝障害では,臨床像,組織像とも,非典型的であっても,自己免疫性肝炎の可能性を念頭に入れる必要がある.

共同研究・競争的資金等の研究課題

 2