眞田 幸弘, 水田 耕一, 松本 光司, 浦橋 泰然, 江上 聡, 梅原 実, 脇屋 太一, 岡田 憲樹, 安田 是和, 河原崎 秀雄
日本小児外科学会雑誌 46(7) 1171-1177 2010年12月20日
肝移植適応と判断された胆道閉鎖症(BA)乳児において,低体重の場合,肝移植後合併症のハイリスクであるため,成長を待って移植することが望ましいとされている.今回我々は急速に肝不全と門脈圧亢進症が進行したBA乳児に対して準緊急生体肝移植を施行したので報告する.11か月,女児,体重5.2kg.移植待機中にコントロール不良な感染症を合併し,急速に肝不全と門脈圧亢進症が進行した.また,肝腫大,脾腫大による腹部膨満から換気不全となり,挿管,人工呼吸管理が必要となった.これ以上の成長も期待できず,準緊急肝移植を施行した.待機可能な低体重のBA乳児おいては,多発性のbiliary cyst,コントロール不良な感染症,高サイトカイン血症,脾腫進行の有無を評価することが重要であり,いずれかに該当する場合,周術期合併症のハイリスクであるため,速やかに肝移植の準備を進め,施行すべきであると考えられた.