中村 元洋, 南 浩一郎, 原 幸治
麻酔 53(9) 1025-1028 2004年9月
33歳女.4ヵ月前より月経困難,月経過多が出現し,多剤に対するアレルギーのため保存的治療が難しく,腹式子宮全摘を行った.今までにアレルギーが認められた薬物は,メロキシカム,エペリゾン塩酸塩,消毒用アルコール,ジクロフェナクナトリウム,ベラプロストナトリウム,アスピリン,ペニシリン系抗生物質,ロキシスロマイシン,ヒドロキシジン塩酸塩,リドカインであった.局所麻酔薬でアナフィラキシーショックを起こした既往があることから,局所麻酔薬は避けた方が良いと判断し,セボフルラン-酸素-亜酸化窒素のみで導入した.術中の筋弛緩はベクロニウムを使用し,麻酔維持と術後鎮痛を考慮してフェンタニルを使用した.キウイフルーツでアレルギーが認められた既往もあり,ラテックスに対するアレルギーの既往はなかったが,ラテックスフリーの製品を使用した.術中,術後ともアレルギーの発生はなかった