基本情報
- 所属
- 自治医科大学 医学部外科学講座 消化器一般移植外科学部門 助教
- 学位
- 医学博士(2016年3月 自治医科大学)
- 研究者番号
- 60528587
- J-GLOBAL ID
- 202001012949215657
- researchmap会員ID
- R000010763
論文
50MISC
100-
日本臨床外科学会雑誌 76(2) 401-407 2015年2月神経鞘腫は上下肢を中心とした末梢神経の存在する部位に発生する.今回,腹直筋内という極めて稀な部位に発生した本疾患の1例を経験した.症例は53歳,女性.開腹歴なし.近医で左下腹部の腹壁腫瘤を指摘され,精査加療目的に当院へ紹介となった.腹部超音波検査では4cm大の腹直筋と連続した境界明瞭な分葉状の低エコー腫瘤を認めた.腹部造影CT検査では漸増性に造影された.腹部造影MRI検査ではT1強調画像で不均一に造影され,T2強調画像で内部がやや不均一な高信号を呈した.腹壁デスモイド腫瘍を第一に考え切除の方針とした.腫瘍と周囲の腹直筋,腹直筋後鞘と腹膜の一部を合併切除した.摘出は容易であった.病理組織学的診断は神経鞘腫で悪性所見は認めなかった.腹直筋内発生の神経鞘腫は現在まで6例の報告しかなく希少であるが,腹直筋内に腫瘤を認めた場合には本疾患も考慮することが推奨される.(著者抄録)
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胆と膵 35(臨増特大) 1125-1129 2014年10月アルコール摂取(多飲)は急性膵炎、慢性膵炎の成因として最も頻度が高い。他の成因と異なり、アルコール性膵炎は断酒・禁煙で発症・進展の予防が可能で、生活指導が重要な疾患である。その一方で「アルコール性」を規定するエタノール摂取量の明確な基準はなく、その発症・進展の機序についても不明な点が多い。慢性膵炎臨床診断基準2009では慢性膵炎をアルコール性と非アルコール性に分類し、発症前、発症早期に治療介入ができるように慢性膵炎疑診、早期慢性膵炎の診断基準を設定した。急性膵炎でも高リスク群であるアルコール多飲者の実際の発症率は低率で、遺伝子異常(SPINK1、PRSS1など)など、他の要因が深く関与していることが想定されている。アルコール性急性膵炎、慢性膵炎の診断・治療は、他の成因によるものと大きく変わるところはなく、介入治療は改訂アトランタ分類2012による膵炎局所合併症の新分類に応じた適切な時期・手技で行うことが推奨される。(著者抄録)
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日本肝胆膵外科学会学術集会プログラム・抄録集(CD-ROM) 26th ROMBUNNO.P124-2-649 2014年6月
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日本外科学会雑誌 115(2) 918-918 2014年3月5日
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肝臓 54(7) 479-485 2013年7月症例は50歳女性。検診の腹部エコー検査で肝腫瘤を指摘され、精査目的に当院へ紹介となった。HBs抗原とHCV抗体は陰性、HBs抗体とHBc抗体が陽性で肝機能は正常であった。腹部エコー検査では肝S4表面に24×15mm大の低エコー腫瘤を認めた。造影エコー検査(ソナゾイド)では早期動脈相で強く全体が濃染され、肝静脈への還流像が描出された。Kupffer相では欠損像を呈した。腹部造影CT、Gd-EOB-DTPA造影MRIでは動脈相で濃染され、門脈相でwash outされた。画像所見とoccult HBV感染から肝細胞癌が否定できず、肝S4亜区域切除術を施行した。病理組織学的には上皮様の紡錘形細胞と豊富な血管成分を中心とした腫瘍で脂肪成分はわずかであった。免疫染色でHMB-45、MelanA、αSMAが陽性で肝血管筋脂肪腫と診断した。肝血管筋脂肪腫は特に肝細胞癌との鑑別が困難である。(著者抄録)
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日本外科学会雑誌 114(2) 653-653 2013年3月5日
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日本外科学会雑誌 114(2) 858-858 2013年3月5日
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自治医科大学紀要 35 87-91 2013年3月2001年〜2011年に施行した大腿ヘルニア手術症例52例を検討した。全例でCT施行し、大腿ヘルニアの術前診断は41例(CT正診率80%)だった。嵌頓群は37例(71%)で、イレウス症状は20例(嵌頓群の54%)で認め、全例緊急手術を要した。ヘルニア内容は小腸27例(73%)が最も多かった。腸切除は16例(43%)で施行した。発症から手術までの経過時間は、切除群と非切除群で平均値は同等で有意差を認めなかった(P=0.621)。後壁補強はMcVay法が37例(95%)で施行され、非嵌頓群では各種メッシュ法が53%で選択されていた。術後合併症は嵌頓群で有意に多かったが、腸切除の有無では有意差を認めなかった。腸切除を避けるためには、早期診断・治療が必要であり、発症からできるだけ早いタイミングでの介入が有効と考えられた。(著者抄録)
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G.I.Research 21(1) 40-47 2013年2月ラット胃全摘モデルを作製し、術後の摂食とグレリン濃度の変化を検討した結果、胃切除術後の食餌量低下と体重減少からの回復は、血漿グレリン濃度ではなく、再建術式に依存していた。胃切除術後、十二指腸や膵臓での組織中グレリン産生が増加し、胃以外の組織から分泌されたグレリンが代償的な役割を果たしていることが示唆された。術後のグレリン補充療法は、胃切除術によってもたらされた食欲不振やその周辺症状を有する患者への治療として、胃切除術後晩期において有効であると考えられる。(著者抄録)
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胆と膵 34(1) 69-73 2013年1月胆膵領域の診断に用いられる画像診断装置の進歩は著しい。これら画像診断装置から得られる高精細の情報を、系統的に活用する手法の開発が必要である。われわれは、画像情報を処理することによるvirtual 3D model(仮想三次元モデル)を作成した。さらに、産業界で用いられる3次元プリンタのrapid prototyping法によりreal 3D model(実体3次元モデル)を作成する手法を開発した。本手法により患者の個人情報を直接反映した臓器モデルが作成可能である。Virtual 3D modelは、コンピューター上での加工、処理が容易である。Real 3D modelは直接の大きさの把握や曲面の理解などに寄与する。デジタルとアナログの組み合わせにより、より詳細な理解や情報共有が得られる。今後は臨床のみならず、教育や患者コミュニケーションツールとしての活用も期待される。(著者抄録)
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日本臨床外科学会雑誌 71(10) 2676-2681 2010年10月症例は69歳,男性.血便を主訴に近医を受診,直腸癌を疑われ当院紹介となった.下部消化管内視鏡検査では直腸Rasbに環周率90%の2型腫瘍を認め生検結果は高分化管状腺癌であった.CT・MRIで膀胱,精嚢への浸潤を認め,直腸傍・右側方リンパ節転移を疑った.他臓器浸潤直腸癌Rasb,2型,cSI,cN3,cH0,cP0,cM0,cStageIIIbと診断した.経過中に大腸イレウスを発症したため人工肛門を造設した.側方リンパ節転移と周囲臓器への高度な浸潤を認めていたため化学療法を先行した.mFOLFOX6を4コース施行し,その内bevacizumabを2回併用した.その後,原発巣は著明に縮小し部分奏効を得たため根治術を行った.手術では腫瘍は膀胱,精嚢,前立腺と一塊に存在し,腫瘍の残存を疑いこれらの臓器を含めた骨盤内臓全摘術を施行した.病理組織学的検査では,癌細胞は認めず組織学的完全奏効と判定した.(著者抄録)
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日本臨床外科学会雑誌 70(8) 2509-2514 2009年8月症例は34歳,男性.某年12月に腹痛を主訴に前医を受診した.CT検査等で,上腹部から骨盤腔内まで占める腹腔内多房性嚢胞を指摘され,膵仮性嚢胞の診断にて経皮的ドレナージを施行し症状は軽快した.4年後4月に再び腹痛が出現.再度経皮的ドレナージを施行したが症状の改善は認めず当院へ紹介となった.CT,MRIにて胃小彎に接した多房性の巨大な腫瘍を認め,膵外病変と考えられた.小網原発のリンパ管腫と診断し手術を施行した.開腹時,小網を主座とする巨大な多房性嚢胞性腫瘍を認めた.膵・胃などと癒着していたが他臓器への浸潤はなく,腫瘍摘出術を施行した.切除標本で腫瘍は16×12×9cm,800gで病理組織学的にcystic lymphangiomaと診断された.術後の経過は良好で14日目に退院となり症状も軽快した.(著者抄録)
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日本臨床外科学会雑誌 68(10) 2532-2537 2007年10月症例は73歳,女性.2002年5月,悪性リンパ腫による小腸狭窄で近医で小腸切除と術後に化学療法を施行.2005年11月,頸部リンパ節に再発を認め化学療法を施行しリンパ節再発は消失した.2006年1月頃よりイレウス症状が出現し軽快,再燃を繰り返していた.10月にイレウスの診断で当院入院となった.イレウス管を挿入したが症状は軽快せず,チューブは上部空腸から下行結腸へ挿入された.CT検査では空腸と下行結腸が膿瘍腔を介した瘻孔を形成していた.小腸悪性リンパ腫の再発を強く疑い手術を施行した.Treitz靱帯近傍の空腸周囲に腫瘍を認め,空腸と横行結腸,下行結腸へ浸潤を認めた.各々腸管は腫瘍を介した瘻孔を形成していた.腫瘍を空腸,結腸を一塊にして切除した.病理検査で悪性リンパ腫の再発と診断した.術後は良好に経過し,追加治療として化学療法を施行した.(著者抄録)
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自治医科大学紀要 29 49-53 2006年12月好中球エラスターゼ阻害剤であるシべレスタットナトリウムが超低体温循環停止を要する急性大動脈解離緊急手術後の集中治療期間を短縮するか検討した。急性大動脈解離の14症例をシベレスタット投与群と非投与群に分け、シべレスタットは麻酔導入時から人工心肺終了24時間後まで0.2mg/kg/hrで持続静注した。患者背景と術式、発症から手術までの時間、人工心肺・循環停止・手術時間、輸血量は2群間に有意差はなかった。集中治療室帰室時、術翌日の血液ガス、P/F比、白血球数、CRPにおいていずれも2群間の有意差は認めなかったが、人工呼吸時間と集中治療室滞在期間はシベレスタット投与群で有意に短縮された。しかし対照における術後脳梗塞合併2症例を除外し比較すると人工呼吸時間と集中治療室滞在期間は2群間で有意差はなかった。胸部大動脈緊急手術における麻酔導入時からのシベレスタット投与は炎症抑制や肺機能改善の効果を認めず、人工呼吸時間と集中治療期間いずれも短縮し得なかった。(著者抄録)
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自治医科大学紀要 29 55-59 2006年12月【目的】胸部大動脈手術周術期に臨床的に問題となる心房性不整脈の発生要因を捉え予防について検討する。【方法】2004年3月から2005年12月にかけて施行された術前洞調律の待期的胸部大動脈手術患者13名(男:9名、女:4名)について大動脈弁置換手術を同時に施行した2患者を除く11名について、周術期に心房性不整脈を発症した4名をA群、発症のなかった7名をB群とし比較検討した。【結果】手術死亡、脳血管イベントは認めなかった。平均年齢A群72.5±6.0歳、B群59.6±15.1歳。術前、術中因子で各群間に有意差は認めなかった。心房性不整脈は術後3日目以降に高率に発生した。周術期の心房圧負荷について各群間に有意差は認めなかったが、利尿ペプチドの変動において、両群間に有意差を認めた。【結論】胸部大動脈手術後の心房性不整脈の発生においては各種利尿ペプチドの変動から術後の心房性不整脈の発生を予想できる可能性があり、術後管理では心房負荷を増大させないような配慮が必要であると考えられた。(著者抄録)
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自治医科大学紀要 29 229-232 2006年12月弓部分枝付近の胸部大動脈手術では、粥状硬化をともなった大動脈病変や上行大動脈解離を伴った病変が多く認められ、体外循環確立の送血部位に配慮することが多い。当施設では右腋窩動脈よりの送血が選択される場合、8mm人工血管を吻合し送血を行う方法を用いている。今回、体外循環終了後送血用人工血管処理の簡便な手技として、側枝人工血管断端部に止血用クリップを用いて閉鎖する手技を採用し、その有用性を検討した。2003年8月から2005年12月までに同方法を用いたのは14例で、年齢は30歳〜84歳、体外循環時の体位は仰臥位9例、右側臥位5例であった。全例で周術期に特に創部の再出血、創痛などの合併症をみとめなかった。腋窩動脈よりの送血人工血管の閉鎖方法として、ステンレス製止血用クリップを用いる方法は、特に左開胸での右腋窩動脈送血の際には、狭い視野での断端分を極力残さずに手技が安全に行われるという利点があると考えられる。(著者抄録)
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胸部外科 59(12) 1103-1105 2006年11月60歳女。7年前に大動脈弁閉鎖不全で人工弁置換術を行った。その時に大動脈の肥厚と硬化を認め、活動性のない慢性期大動脈炎症候群と診断された。その後の経過観察中に上行大動脈径の拡大が確認され手術目的で入院した。上行大動脈は6.5cm大と拡大、sino-tubular junction(STJ)の拡大から大動脈基部置換の適応と判断し手術を施行した。術後の造影CTで異常は認めず、術後21日に退院した。大動脈壁の病理所見より外膜は著明な線維化と肥厚を認め、中膜は弾性線維が断裂、菲薄化し、炎症細胞の浸潤を認めなかったことより活動性のない慢性期の大動脈炎症候群と診断したが、慢性期でも大動脈は拡張をきたすことがあるため十分な経過観察の必要性が示唆された。
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胸部外科 58(13) 1163-1165 2005年12月症例1:61歳男.高血圧で通院加療中に心エコーで左房内腫瘤と診断された.又,画像所見では乳頭状線維弾性腫が疑われ,腫瘍切除術を施行した.腫瘍は心内膜と共に切除し,切除部の内膜欠損は直接縫合で閉鎖した.人工心肺からの離脱も問題なく,術当日には気管内チューブを抜去した.症例2:60歳女.出生時に指摘された先天性心疾患を放置していたが,下肢のむくみへの内服加療中に喘鳴が出現した.画像検査で重度三尖弁閉鎖不全と可動性の腫瘤による右室流出路狭窄を認め,右室腫瘍,心室中隔欠損,心房中隔欠損に対して手術を施行した.腫瘍は右室心筋内膜と共に切除し,術後は人工心肺からの離脱も問題なく,術翌日には気管内チューブを抜去した.両症例共に,腫瘍は有茎性で繊毛が放射状に伸び,イソギンチャク様の構造であった.又,術後経過は良好で,問題なく退院となった
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自治医科大学医学部紀要 28 83-87 2005年12月症例は74歳の男性,心筋梗塞後不安定狭心症で冠状動脈バイパス術を施行した.術前より肺高血圧を合併していたため体外循環使用心拍動下手術を行った.術野からのechoは行わなかったが,術前胸部単純CT検査や術中経食道超音波検査では明らかな大動脈病変を認めなかった.術中,大動脈近位側自動吻合器(PAS-Port proximal anastomosis system)を使用したところ,9枚のouter flangeのうちひとつが開放しない状態となった.吻合部位からの出血は認めなかったが,吻合部を6-0 polypropylene糸結節にて8針補強した.経過中本件に関連する有害事象は出現しなかった.術後78日目に術後造影検査を行ったが特に吻合部には狭窄などの所見は認められなかった.技術の進歩に伴い自動吻合器などを臨床使用する機会が増加しているが,不具合が不意に発生した場合,その事態への対応を考慮しておく必要があることを常に認識しておかねばならない(著者抄録)
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自治医科大学医学部紀要 27 29-34 2004年12月体外循環非使用および心筋保護下冠状動脈バイパス術における非侵襲性の検討を行った.対象は,2002年1月から2003年9月までの単独冠状動脈バイパス術101例中術後21日以内に退院した72例で,体外循環非使用下冠状動脈バイパス術(OPCAB)36例(平均年齢64.6歳)と体外循環使用心筋保護下冠状動脈バイパス術(CCAB)36例(平均年齢63.6歳)に分け,全身炎症反応症候群(SIRS)の基準関連項目による評価で非侵襲性を比較した.1)OPCAB群とCCAB群との比較ではバイパスヶ所数(2.4ヶ所:3.1ヶ所),手術時間(290分:332分),抜管までの時間(14.1時間:27.1時間),発熱日数(1.0日:1.9日)で有意差を認めた.2)SIRS基準関連項目による評価では,発熱日数の項目からOPCABはCCABに比べ低侵襲であると考えられた