研究者業績

永山 学

ナガヤマ マナブ  (Manabu Nagayama)

基本情報

所属
自治医科大学 附属病院消化器センター 内科部門 病院助教

連絡先
nagayamajichi.ac.jp
J-GLOBAL ID
201401051669158132
researchmap会員ID
B000238028

論文

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  • 永山 学, 礒田 憲夫, 佐藤 光亮, 井野 裕治, 豊田 亮, 西村 直之, 吉澤 充代, 大竹 俊哉, 東澤 俊彦, 川田 浩, 鯉沼 広治, 安田 是和, 原嶋 宏樹, 弘中 貢, 菅野 健太郎
    肝臓 51(3) 127-134 2010年3月25日  
    症例は53歳の女性.2006年頃から腹部膨満感を自覚した.2008年5月,近医での腹部超音波にて巨大な腹腔内嚢胞性病変を指摘され当科を受診した.腫瘍マーカーは基準値内であり,画像検査では肝左葉由来の単房性嚢胞性病変を認め,多数の壁在結節を有していた.胆管嚢胞腺癌の術前診断で,当院外科にて肝左葉切除術を施行した.病理組織学的検査にて乳頭状隆起は粘液円柱上皮で構成され,分裂像,核異型を認め,胆管嚢胞腺癌と診断した.卵巣様間質や胆管との交通は明らかでなかった.免疫染色ではMUC5ACがびまん性に陽性,MUC1は一部陽性で,MUC2とMUC6は陰性であり,胃腺窩上皮細胞の粘液形質を有していた.過去の報告例の検討でも同様に胃腺窩上皮細胞の粘液形質を示す傾向を認めた.<br>

MISC

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  • 宮原 晶子, 坂本 博次, 井野 裕治, 林 芳和, 矢野 智則, 宇賀神 ららと, 永山 学, 竹澤 敬人, 砂田 圭二郎, 山本 博徳
    自治医科大学紀要 41 47-51 2019年3月  
    症例は65歳女性。30歳頃から鼻出血を繰り返し、近医にて鉄欠乏性貧血に対して鉄剤投与されていた。貧血が悪化したため当科入院となった。小腸カプセル内視鏡にて空腸粘膜に矢野・山本分類type 1b相当のangioectasiaが多発し、血性腸液を認めた。手指に毛細血管拡張病変も認め、遺伝性出血性末梢血管拡張症と診断した。経口ダブルバルーン内視鏡下にangioectasiaに対するアルゴンプラズマ凝固術を施行したところ、貧血の改善を認めた。その後、6ヵ月から1年程度の間隔でカプセル内視鏡を施行している。Angioectasiaの数が明らかに増加し、貧血の進行を伴う際には、カプセル内視鏡で確認されたangioectasiaが多発している領域に集中して内視鏡的治療を行っている。遺伝性出血性末梢血管拡張症では内視鏡的治療を行った後もangioectasiaが再発するが、病変数と分布を把握するためのサーベイランスとしてカプセル内視鏡検査を行うことで、より侵襲の高い内視鏡的治療を行う回数と処置時間を低減できる可能性が示唆される。(著者抄録)
  • 砂田 圭二郎, 永山 学, 矢野 智則, 山本 博徳
    消化器病学サイエンス 2(3) 120-126 2018年9月  
    現在、実臨床で使用されている小腸内視鏡は大別して3種類ある。一つはバルーン内視鏡であり、柔らかくて長いバルーン付きオーバーチューブを使用する。内視鏡先端にもバルーンが付いているのがダブルバルーン内視鏡であり、付いていないものはシングルバルーン内視鏡とよばれる。全小腸内視鏡観察はダブルバルーン内視鏡のほうが有利とされ、両者とも内視鏡が到達すれば、通常の内視鏡と同様の診断・治療ができる。もう一つはカプセル内視鏡であり、嚥下すれば全小腸観察が可能で非侵襲的とされている。ただし滞留などの課題もある。三つ目はスパイラル内視鏡で、最も効率的な挿入ができるとされ、電動式も開発されているが、その安全性、適応限界などはまだ今後の課題である。小腸内視鏡を活用した基礎研究はまだ多くはないが、次世代シーケンサーの登場により腸内細菌学は飛躍的に発展しており、内視鏡でサンプルを回収しその解析によって小腸疾患の病態解明が進展することが期待されている。(著者抄録)
  • 矢野 智則, 坂本 博次, 小林 泰俊, 永山 学, 宮原 晶子, 東條 浩子, 山本 博徳
    胃と腸 53(6) 801-807 2018年5月25日  
    <文献概要>小腸出血では,年齢層や背景疾患などによって出血源となる病変の頻度が異なる.また,小腸出血に対する検査方法もさまざまだが,それぞれに長所と短所がある.適切な検査方法を選択して診断するためには,病変頻度と各検査の特徴を理解しておく必要がある.小腸内視鏡診療ガイドラインではOGIBに対する診断アルゴリズムが示されており,胸腹部造影CTを最初に行う検査として位置づけている.CTで有意所見があればバルーン内視鏡だが,有意所見がなければカプセル内視鏡を行って,その結果に応じてバルーン内視鏡などの検査を追加するか判断する.ただし,若年者ではCrohn病とMeckel憩室が比較的多いことから,当施設ではカプセル内視鏡よりも先に経肛門バルーン内視鏡を行っている.また,視野確保が困難なほど持続出血する血管性病変に対してはgel immersion endoscopyが視野確保に有用である.
  • 矢野 智則, 坂本 博次, 小林 泰俊, 永山 学, 東條 浩子, 宮原 晶子, 関谷 万里子, 砂田 圭二郎, 山本 博徳
    Gastroenterological Endoscopy 60(5) 1107-1115 2018年5月  
    クローン病患者において、小腸狭窄は重要な合併症であり、その治療については未だ課題が多い。外科的切除で治療しても、クローン病を完治させることはできない。再燃して生じた狭窄に対して外科的切除を繰り返せば、短腸症候群になってしまう。バルーン内視鏡の登場により、深部小腸の狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術も可能となった。バルーン拡張術後に再狭窄することもあるが、繰り返し治療することが可能で、外科的治療を長期にわたって回避できる。本稿では、クローン病小腸狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術について、多数例の治療経験から編み出された戦略や工夫について紹介する。(著者抄録)
  • 矢野 智則, 坂本 博次, 小林 泰俊, 宮原 晶子, 東條 浩子, 永山 学, 砂田 圭二郎, 山本 博徳
    消化器内視鏡 29(11) 2022-2025 2017年11月  
    小腸はその解剖学的特徴から、内視鏡での深部挿入が困難であった。今世紀に入って登場したバルーン小腸内視鏡は、バルーン付きオーバーチューブを用いることで深部挿入を可能にした。バルーン小腸内視鏡検査では、その構造的特徴と小腸の解剖学的特徴から、誤嚥性肺炎、急性膵炎、穿孔などの偶発症に注意が必要である。特にCrohn病症例では全層性炎症によって腸間膜が短縮した部分に力が集中し、穿孔が起こりやすい。バルーン小腸内視鏡は深部小腸においても操作性がよく、小腸における内視鏡治療も可能にした。しかし小腸は、ほかの消化管に比べて腸壁が薄く、内腔が狭いため、注意が必要である。ポリープ治療では穿孔と出血、バルーン拡張術では穿孔、止血術では高周波装置や止血クリップによる穿孔に注意が必要である。これらの偶発症について、その発生原理を理解し、適切な予防策をとることが、安全な検査・治療のために重要である。(著者抄録)

共同研究・競争的資金等の研究課題

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