Mizuho Shimada, Kandai Doi, Takeo Yamauchi, Hiroki Kawabata, Shuji Ando, Satoshi Shimano
Journal of the Acarological Society of Japan 34(1) 1-10 2025年5月25日 査読有り
2022年に,栃木県佐野市でイノシシとシカに寄生するマダニの調査を実施した.その結果,タカサゴキララマダニは,春には若虫が主体で,夏以降は雌雄成虫が主体となり,主にイノシシへの寄生が認められた.また,フタトゲチマダニは,春には若虫が主体で,夏はメス成虫が主体となり,主にシカへの寄生が認められた.冬に両動物への若虫と雌雄成虫の寄生が認められた種として,キチマダニとオオトゲチマダニが挙げられた.先行研究として行った足利市の調査と今回の佐野市における調査と合わせ,タカサゴキララマダニ雌雄成虫のイノシシへの高い宿主特異性が示された.今後も継続的に栃木県南部の両市にまたがる野生動物への寄生マダニの季節性とヒトにおけるマダニ刺症の関連を明らかすることは,同地域におけるマダニ媒介感染症の予防に資すると考える.