齋藤武, 菱木知郎, 照井慶太, 佐藤嘉治, 武之内史子, 八幡江里子, 大野幸恵, 三瀬直子, 梁川範幸, 佐藤広崇, 吉田英生
小児外科 42(6) 597-601 2010年6月25日
著者らは根治術を行った先天性胆管拡張症16例の術前DIC-CTとMRCPから三次元構築像(3D-DIC-CT、3D-MRC)を作成した。また、AZEを用いて仮想胆道鏡(VES)像を作成し、それらの有用性を検討した。その結果、肝内胆管各所の描出率、狭窄・拡張の判定率を比較したところ、3D-DIC-CTは肝内の末梢胆管の描出に優れ、狭窄・拡張の同定に有効であった。一方、3D-MRCでは各所の描出率はおおむね良好であったが、末梢胆管の狭窄を見逃す可能性が示唆された。更にVESは胆道鏡の術前シミュレーションとして利用でき、病変の存在部位と程度の把握を行う上で有用であることが確認された。