川口 雄之亮, 齋藤 武, 照井 慶太, 中田 光政, 小松 秀吾, 秦 佳孝, 笈田 諭, 勝俣 善夫, 佐永田 友季子, 小関 元太
小児外科 52(4) 384-387 2020年4月
症例は7ヵ月男児で、日齢1より腹部膨満があり、日齢2の腹部単純X線検査で腸管拡張を認めたため当科に紹介受診となった。注腸造影検査で脾彎曲部分にcaliber changeがあったためHirschsprung病と暫定診断し、経肛門チューブによる減圧・洗腸管理を開始した。その後は経肛門チューブでの減圧管理を継続し、月齢7に根治手術を行った。臍部より12mmポート、右下腹部より5mmポートを挿入し、腹腔内を観察しながら肛門部よりWound Retractor XSを挿入、これに12mmポートを留置した。肛門の12mmポートと右下腹部の5mmポートから鉗子を挿入し操作を行った。切除範囲結腸を授動すると、下行結腸、S状結腸の腸間膜処理は肛門ポートで容易に対応しえた。術後一時、便性悪化に伴い便回数が増加し、肛門周囲皮膚炎の管理に難渋した。内服薬を調整したり皮膚保護剤を工夫したりすることで皮膚炎は改善し、術後22日目に退院となった。