村田 哲, 横倉 英人, 増田 智一, 田口 佳代子, 藤田 悦子, 小池 由美子, 若旅 功二, 遠田 博, 細田 里美, 高塚 由佳, 佐藤 篤子, 大山 正彦, 藤本 美津夫, 清澤 智晴, 山田 朋子, 小宮根 真弓, 中川 秀己, 大槻 マミ太郎		
		
			自治医科大学紀要 31 23-29 2008年12月1日  		
		
			1992年から2007年まで, 自治医科大学皮膚科学教室で経験した16例の血管肉腫について検討した。年齢は58歳から96歳で,平均77歳。頭部の血管肉腫は,男7例,女3例で合計10例。慢性浮腫を伴った血管肉腫は,女性5例で,全例下肢の発症であり,子宮癌の治療歴があった。予後は,治癒と判定したのは背部皮下に生じた1例のみで,2例が現在治療中,他の13例は死亡した。死亡例の,初診後からの平均生存期間は13ヶ月だった。皮膚の血管肉腫は未だに治療法が確立されておらず,予後の非常に悪い腫瘍である。今後,より有効な治療方法を求め努力していくとともに,早期発見治療開始のためには,一般の人々,特に高齢者や術後四肢に慢性浮腫を持つ人たちに対して啓蒙していくことが重要である。