樋貝 繁香, 中島 登美子, 石田 寿子, 小西 克恵, 天谷 恵美子, 大海 佳子
自治医科大学看護学ジャーナル 8 151-158 2011年3月 査読有り
新生児集中治療室(Neonatal intensive care unit:NICU)の新人教育における技術到達度評価の現状と課題を明らかにする目的で,13名の新人看護師の技術到達度と,3名のプリセプターへの面接から技術到達度の解釈を行った。その結果,技術到達度が早かった技術は,手順を確認しながら手技を習得する日常生活援助技術であり,プリセプターがモデルとして技術を示すことで技術到達していた。技術到達度に開きのあった技術は,子どもの状態や発達に適した技術であった。安全に関する技術は,日常生活援助技術に加え,子どもの状態や発達に適した技術を習得した後に到達していた。これらから,新人看護師はモデルとするプリセプターと共に,自己学習を踏まえながら早い時期に習得できる技術から,より複雑な技術へと水準を上げて技術を習得すること,プリセプターは子どもの個別性や状態の判断を求め,その子どもに適した技術の意味づけをすることで,技術が積み重なったと考える。そして,安全に関する技術は,日常生活援助技術,子どもの状態や発達に適した技術を積み重ね到達するため,プリセプターに加え病棟全体で関わっていくことが必要である。(著者抄録)