基本情報
- 所属
- 自治医科大学 医学部麻酔科学・集中治療医学講座(集中治療医学部門) 助教東京大学 大学院医学系研究科社会医学専攻医療倫理学講座 医学博士課程
- 学位
- M.D.(2008年3月 九州大学医学部医学科)MPH(2018年3月 東京大学大学院医学系研究科)
- 研究者番号
- 10724057
- J-GLOBAL ID
- 202001009330787540
- researchmap会員ID
- R000006893
経歴
2-
2020年4月 - 現在
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2012年4月 - 2017年3月
学歴
3-
2018年4月 - 現在
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2017年4月 - 2018年3月
-
2002年4月 - 2008年3月
委員歴
1-
2015年4月 - 2021年3月
論文
18-
Journal of anesthesia, analgesia and critical care 4(1) 23-23 2024年4月3日BACKGROUND: Sepsis-3 emphasizes the recognition of sepsis-induced cellular metabolic abnormalities, and utilizes serum lactate level as a biomarker of cellular metabolic abnormalities. Magnesium plays an important role as a cofactor in glucose metabolism, although it is not well known that magnesium deficiency causes elevated serum lactate levels. Additionally, it remains unclear how magnesium status affects the role of serum lactate levels as a marker of metabolic abnormalities in sepsis. Thus, this study aimed to investigate the association between serum magnesium and lactate levels in patients with sepsis and explore this relationship from the perspectives of time course and circulatory abnormalities. METHODS: This retrospective observational study of adult patients with sepsis was performed at the 16-bed intensive care unit of Jichi Medical University Hospital between June 2011 and December 2017. The relationship between serum magnesium and lactate levels for 5 days from intensive care unit admission was investigated along the time course. Multivariate logistic regression analysis was performed to evaluate the association between serum magnesium and lactate levels during intensive care unit admission. RESULTS: Among 759 patients included, 105 had hypomagnesemia (magnesium level < 1.6 mg/dL), 558 had normal serum magnesium levels (1.6-2.4 mg/dL), and 96 had hypermagnesemia (magnesium level > 2.4 mg/dL) at intensive care unit admission. From intensive care unit admission to day 5, the hypomagnesemia group had higher serum lactate levels and a higher frequency of lactic acidosis than the normal magnesium level and hypermagnesemia groups (70% vs. 51.6% vs. 50%; P < 0.001). Hypomagnesemia at intensive care unit admission was independently associated with lactic acidosis, i.e., lactic acid level > 2 mmol/L (odds ratio, 2.76; 95% confidence interval, 1.60-4.76; P < 0.001). CONCLUSIONS: Hypomagnesemia was associated with serum lactate levels in the early and post-resuscitation phases of sepsis. Further studies are needed to elucidate whether the magnesium status is associated with sepsis-induced cellular and metabolic abnormalities.
MISC
149-
救急医学 39(6) 733-744 2015年6月
-
日本救急医学会雑誌 26(1) 30-35 2015年1月遅発性に呼吸停止を来したグルホシネート中毒を経験した。症例は62歳男性で、来院直前にグルホシネート含有除草剤(バスタ)を数十mLに薄めて服毒後に頻回の下痢が出現したため当院に救急搬送された。来院時、血圧低下や低体温を呈し、腸蠕動が亢進していた以外に特記所見は認めなかった。服毒量は重症化の目安とされる液剤100mL以下と考えられたため、胃洗浄と活性炭の投与を行い救命センターに入院となった。第3病日(服毒後約47時間)に突然の呼吸停止を認め、人工呼吸管理を開始した。その後、徐々に自発呼吸が回復し、第7病日に抜管した。経過良好で第15病日に退院となった。なお、血中グルホシネート濃度は、来院時に122μg/mLと高値を認めたものの、6時間後には著明に低下し、第2病日と呼吸停止が出現した第3病日には検出限界以下となっていた。バスタを服用した場合、急性期には、界面活性剤による悪心・嘔吐、下剤といった消化器症状が出現し、グルホシネートによる意識障害や呼吸障害は服毒の4〜60時間後に出現すると言われている。グルホシネート中毒の治療としては、重症例ならば予防的気管挿管も検討すべきだが、基本的には通常の薬物中毒に準じた対応が中心である。すなわち、この中毒では、重症例をいかに予測するかが重要であり、服毒量の確認とノモグラムを用いた血中濃度測定が推奨されている。しかし、服毒量の推定は誤差が大きいことや、血中濃度の測定ができる施設が限られていることなど、いまだ障壁が多い。本邦にて遅発性呼吸障害を来した15例の文献を考察したところ、高齢者に多く、服毒量や症状出現時期にはかなりばらつきが見られた。現時点では、たとえ服毒量が少なく全身状態が良好であっても、重症化する可能性を念頭におき、服毒後72時間は人工呼吸管理が可能な集中治療室で厳重に管理すべきである。(著者抄録)
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九州救急医学雑誌 13(1) 46-50 2014年12月51歳女性。軽自動車を運転中に、自動車とのオフセット衝突により受傷した。来院時のvital signsは脈拍130/min、血圧148/87mmHg、呼吸数33/min、 SpO2 100%(リザーバー付マスク酸素10L投与下)であり、明らかな皮下気腫や頸静脈怒張は認めなかった。胸部〜骨盤部造影CT検査において右多発肋骨骨折と右血気胸、心嚢内気腫、骨盤骨折、骨盤内血腫の所見を認めた。血気胸に対し右胸腔ドレーンの挿入中に収縮期血圧が78mmHgまで低下し、緊張性心嚢気腫によるショックか、骨盤骨折による出血性ショックかが疑われた。急変時に呼吸音増悪なく、再度胸部CT検査を行ったところ心嚢気腫の増大傾向は認めず、骨盤骨折による出血がショックの原因と判断し、緊急経カテーテル的動脈塞栓術を施行し状態は安定した。鈍的外傷による心嚢気腫は治療指針が明確に確立していないが、緊張性心嚢気腫へと移行した際には速やかな処置を要するため、ショックの原因として留意する必要がある。(著者抄録)
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エンドトキシン血症救命治療研究会誌 18(1) 31-38 2014年10月わが国においては敗血症性ショックの治療法の一つとして、ポリミキシンB固定化線維カラムを用いた直接血液灌流法(PMX-DHP)が知られており、循環動態に関して収縮期血圧の上昇や呼吸機能の改善等が報告されている。効果に関しては、酸化ストレスマーカーであるF2-イソプロスタンとPMX-DHPによる呼吸機能の改善との関連、収縮期血圧の上昇とスフィンゴシン1-リン酸との関係、そして転帰とa disintegrin and metalloproteinase with a thrombospondin type 1 motif,member 13との関連が明らかになっている。
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日本救命医療学会雑誌 28 71-75 2014年9月【症例】56歳男性。前日から胸痛を自覚しており、翌朝、仕事場で突然意識消失し卒倒したため、救急要請。救急隊現場到着時の状態は心停止、心電図波形は心室細動で、搬送中に除細動を施行したが、心室細動は持続していた。当院到着時も心室細動が持続しており、救急初療室でPCPS導入を試みた。右鼠径部より脱血用シースを挿入したが、挿入までに時間を要した。冠動脈造影までの時間を短縮するために血管造影室での処置が望ましいと判断し、血管造影室に移動後PCPS導入となった。しかし、脱血用シースが動脈に誤挿入されており、送血用シースに入れ替え、脱血用シースを左鼠径部より挿入した。シースのサイズが異なるため、送血シースの脇からは出血が持続して圧迫を要する状態であった。冠動脈造影施行中に、送血用シースが体外に飛び出したため、PCPSのプライミングとシースの再挿入を行って、PCPS再開となった。右冠動脈に冠動脈閉塞の所見があり、同部位に対する経皮的冠動脈形成術を行った。その後、集中治療室に緊急入院となった。入院後は、低体温療法、IABPを併用した治療を行った。第2病日にPCPSを、第4病日にIABPを離脱した。人工呼吸器離脱は第11病日であった。第56病日に、自立歩行可能で自宅退院した。【考察】本症例でPCPSトラブルが起こった原因を考察したところ、(1)手技の問題、(2)事前準備・時間管理の問題、(3)医療スタッフの問題があると考えられた。このトラブルを回避するため、(1)リスク軽減を含めた手技選択・手技の時間管理を行うこと、(2)病院前から救急部と各科がコミュニケーションを取っておくこと、(3)臨床工学技師の常駐などのチーム医療をより進めていくことが重要であると考えられた。個人の責任を追及するのではなく、リスクを減らすためのシステムを作成し、安全に医療を行うことが重要であると考えられた。(著者抄録)
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Japanese Journal of Acute Care Surgery 4(2) 166-166 2014年9月
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Japanese Journal of Acute Care Surgery 4(1) 27-32 2014年7月門脈ガスや腸管気腫を伴う腸管壊死症例について検討した。腸管壊死あるいは腸管虚血と診断した15例を対象とした。異常ガスを認めたのは6例(G群)、認めなかったのは9例(C群)であった。腸管気腫はすべてのG群で認めた。単変量解析では.年齢や性別、来院時所見では有意差を認めなかった。収縮期血圧は、G群で有意に低かったが、それ以外のバイタルサインは有意差を認めなかった。非閉塞性腸間膜虚血がG群で多いものの、有意差は認めなかった。最終診断では、G群で有意に腸管壊死が多く、C群では、腸管虚血が多かった。血液検査所見やCT所見に関しては両群で有意差はなく、手術施行例の割合や診断後の在院日数でも有意差は認めなかった。総死亡率はG群で高かったが、有意差はなかった。G群では腸管壊死症例の80%が死亡し、非壊死症例は死亡例がなかったが、C群では3例が死亡した。
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Japanese Journal of Acute Care Surgery 4(1) 56-61 2014年7月
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診断と治療 102(Suppl.) 402-407 2014年3月1)アナフィラキシーショックは極めて緊急性の高い病態である。2)80%以上の症例で皮膚所見が認められる。3)皮膚症状、循環器症状、呼吸器症状、中枢神経症状、消化器症状などが認められる全身性の反応であり2臓器系以上にわたることが多い。4)ショック状態では高濃度酸素投与、大量輸液、アドレナリン投与(通常は筋肉内投与)が治療の基本となる。5)二相性に症状が出現することがあり、抗ヒスタミン薬や副腎皮質ホルモンを投与する。6)症状が完全に消失した後も最低4時間は経過観察を行う。通常は入院経過観察が望ましい。7)わが国においても危険性が高い症例に対してはアドレナリン自己注射キットが認可されている。(著者抄録)
書籍等出版物
1共同研究・競争的資金等の研究課題
1-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2015年4月 - 2018年3月