冨樫 一智, 山本 博徳, 大澤 博之, 林 芳和, 宮田 知彦, 砂田 圭二郎, 北條 宣幸, 志村 国彦, 鯉沼 広治, 宮倉 安幸, 堀江 久永, 安田 是和, 菅野 健太郎
胃と腸 43(6) 901-909 2008年5月
最近開発されたFICEは,画像処理により通常白色光から分光画像を生成し,選択した3つの分光画像をRGB信号に割り当てることにより,血管像やpit patternを強調する.大腸内視鏡検査では,(1)遠景像が明るく,(2)微小血管の視認性が向上し,(3)FICE画像へ瞬時に切り替わる,という特徴があり,表面型腫瘍やLST-NGの存在診断での有用性が期待される.腫瘍と非腫瘍の鑑別は,病変表層の微小血管模様に注目することにより可能である.SM高度浸潤癌の診断には,NBIの血管診断学が応用可能であろう.選択する分光画像の自由度は広いので,臓器や目的に応じてcustomizeすることにより,今後さらに発展する可能性がある.(著者抄録)