基本情報
- 所属
- 自治医科大学 附属病院消化器センター・外科部門 講師
- 学位
- 医学博士(2019年3月 自治医科大学)
- J-GLOBAL ID
- 201901015220303899
- researchmap会員ID
- B000353147
経歴
1-
2011年4月 - 現在
学歴
2-
2019年3月
-
2002年3月
受賞
2論文
67-
Progress of Digestive Endoscopy 82(1) 152-153 2013年6月大腸内視鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術の2例を経験した。症例1は70歳代男で、S状結腸軸捻転の診断で入院した。内視鏡的整復を行うも症状を繰り返すため腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した。術後合併症による絶食が長期に及び、嚥下機能の廃用性低下による嚥下性肺炎を繰り返し、入院後9週目に胃瘻造設の方針となった。通常の手技では横行結腸誤穿刺の可能性が高いと判断し大腸内視鏡を併用する方針とした。術後の胃瘻造設に関する合併症は認めず、術後16日目にリハビリ目的に転院した。症例2は80歳代男で、心筋梗塞の診断で入院した。全身状態改善し、食事再開するも認知症による食欲不振があり、入院後8週目に胃瘻造設の方針となった。透視下に大腸内視鏡を用いて横行結腸を尾側に牽引することで穿刺ルートを確保し、経皮的に胃瘻を造設した。胃瘻造設に関する合併症は認めなかったが、術後41日目に誤嚥性肺炎のため死亡した。
-
Progress of Digestive Endoscopy 82(1) 226,22-227,22 2013年6月77歳男。膵仮性嚢胞に対してドレーン挿入中、ドレーンからの出血があり、ショック症状をきたした。出血点を同定するために血管造影を施行したが、明らかなextravasationは認められず、嚢胞壁の小血管からの滲出性出血と考えられたため、APC(argon plasma coagulation)による組織表面の凝固が有効と考え施行した。方法は、ドレーン孔から細径内視鏡を挿入し、漏孔壁に発赤散在している部位を認めたため、これが出血源と考え、APCで焼灼した。以後ドレーンからの出血はなくなり、退院となった。
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胃と腸 46(9) 1397-1402 2011年8月患者は60歳代,女性.検診を目的に施行した胃内視鏡検査で胃前庭部に粘膜下腫瘍を指摘され,当科を受診した.胃X線検査ならびに胃内視鏡検査で胃前庭部大彎に径2cm大の立ち上がりのなだらかな粘膜下腫瘍を認め,表面性状は平滑であった.EUSでは,第4層内に11×10mm大の境界明瞭な腫瘤を認め,内部エコーは高〜低エコーが散在し不均一であった.腹部CT検査では腫瘤が造影早期相から強く濃染された.腹腔鏡下胃局所切除術にて切除した標本の病理診断では,胃固有筋層内のglomus腫瘍と診断した.胃glomus腫瘍は前庭部に好発し,EUSで内部エコーは固有筋層より高く不均一で,造影CT検査で早期から強く濃染することが鑑別診断に有用と思われた.(著者抄録)
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癌と化学療法 38(8) 1325-1328 2011年8月症例は75歳、男性。食欲不振を主訴に近医を受診し、上部消化管内視鏡検査にて4型進行胃癌と診断され加療目的に当院紹介となった。内視鏡上胃体上部から前庭部までの粘膜浮腫、高度の伸展不良がみられ4型胃癌の所見であった。上部消化管造影検査では胃全体の硬化、高度の伸展不良を認めた。CT検査上所属リンパ節転移が疑われたが明らかな肝転移、腹膜播種は指摘されなかった。患者とその家族に病状説明を行ったところ、術前化学療法を希望されS-1/CDDP療法(S-1 80mg/m2/分2、3投2休。CDDP 60mg/m2をday 8に点滴静注)を開始した。2コース終了時点で胃壁伸展は良好となり、計4コース施行後に胃全摘術を行った。病理学組織学的検査にて切除標本に腫瘍細胞の残存は認めず化学療法の効果はGrade 3と診断された。(著者抄録)
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Gan to kagaku ryoho. Cancer & chemotherapy 38(8) 1325-8 2011年8月A 75-year-old man with type 4 advanced gastric cancer was referred to our hospital. We diagnosed the tumor as cStage III B(cT4a, cN2, cM0)gastric cancer. We selected neoadjuvant S-1 combined with CDDP therapy for him. After 2 courses of chemotherapy, the extension of the gastric wall improved. After an additional 2 courses of chemotherapy, the primary tumor revealed a partial response(PR), judged from a barium meal study and upper GI endoscopic findings, and a total gastrectomy with lymph node dissection was performed. The pathological specimens showed no cancer cells in the gastric wall and lymph nodes, so the histological effect was judged as Grade 3.
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癌と化学療法 38(7) 1175-1178 2011年7月門脈腫瘍塞栓を伴う胃癌は肝転移を来しやすく予後不良といわれている。今回われわれは、S-1/CDDP療法にて門脈塞栓の消失を認め手術を行った進行胃癌の1例を経験したので報告する。症例は50歳台、男性。食事のつかえ感を主訴に当院を受診し、上部消化管内視鏡検査にて食道浸潤を伴う噴門部胃癌と診断された。CT検査にて小彎側リンパ節腫大と門脈腫瘍塞栓を指摘された。臨床病期T3N2H0P0、Stage IIIB(胃癌取扱い規約第13版)と診断したが門脈塞栓を手術的に切除は困難と判断し、化学療法S-1/CDDP療法を行い門脈腫瘍栓の消失を確認し二次化学療法を経て、原発巣、所属リンパ節の縮小を認めたため胃全摘術を行った。病理結果では化学療法の効果はGrade 1aでf-T3N0H0P0、stage IIであった。術後はS-1単剤による化学療法を継続している。(著者抄録)
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Gan to kagaku ryoho. Cancer & chemotherapy 38(7) 1175-8 2011年7月A 50-year-old man with advanced gastric cancer and a tumor embolus in the portal vein was referred to our hospital. We diagnosed the tumor as cStage III B (cT3, cN2, cH0, P0, M0) gastric cancer, and selected neoadjuvant S-1 (80 mg/m2) and CDDP (60 mg/m2) therapy for him. After 2 courses of chemotherapy, the embolus in the portal vein disappeared. After additional chemotherapy, the primary tumor and regional lymph node revealed a partial response (PR), and judging from the results from the barium meal study, upper GI endoscopic findings and CT scan, a total gastrectomy with lymph node dissection was performed.
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胃と腸 46(5) 757-762 2011年5月患者は70歳代,女性.嚥下困難を主訴に近医を受診し,食道腫瘍と診断されて当科に紹介となった.食道X線写真では胸部上部食道に約5cmの立ち上がり急峻な棍棒状の隆起性病変を認め,内視鏡検査では同部位に表面は平滑な有茎性の隆起性病変を認め,その基部から口側にかけて軽度隆起を伴った不整な粘膜を認めた.同部位生検にて扁平上皮癌を認め,胸部食道癌の診断で手術を行った.病理組織学的には粘膜下層に浸潤する食道癌肉腫と診断された.食道癌肉腫は形態的に有茎性隆起性腫瘍とその基部に表在癌が存在することが特徴的であり診断に有用と考えられた.(著者抄録)
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癌と化学療法 38(2) 259-262 2011年2月当院におけるS-1療法による涙道障害の頻度と治療効果を調査検討した。2004年9月〜2007年12月までに当院でS-1を1クール以上投与し生存している78例に対しアンケート調査を行い、回答可能であった55例を対象とした。流涙・眼脂などの症状の訴えがあれば眼科受診し、涙道障害の部位と程度を診断した。結果、55例中6例(12.5%)に眼科的処置が必要な涙道障害を認めた。S-1投与から流涙を認めるまでの平均期間は5.7ヵ月であり、発症までの投与量の平均値は10,300mgであった。涙道の障害部位は涙小管閉塞、涙小管狭窄、涙点閉塞および鼻涙管狭窄であった。6例すべてにシリコーンチューブ留置術が施行され、いずれも流涙は改善し、S-1療法を継続可能であった。S-1投与中の患者には涙道障害を来している可能性があり、早期発見および治療により症状の改善が得られると考えられた。(著者抄録)
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Gan to kagaku ryoho. Cancer & chemotherapy 38(2) 259-62 2011年2月We report the frequency of lacrimal passage disorder and the outcomes of treatment. This retrospective study was performed on 55 cases that were treated with S-1 for at least 1 month. We asked patients about ocular symptoms. An ophthalmic surgeon examined all patients and diagnosed lacrimal passage disorder in 6 of 55 patients (12. 5%). The mean dose of S- 1 was 10, 300 mg, and the average period to onset of lacrimal passage disorder was 5. 7 months. The causes of epiphora included occlusion/stenosis of lacrimal canaliculus, occlusion of lacrimal puncta and stenosis of nasolacrimal duct. Lacrimal surgery was performed in all 6 patients and epiphora improved. Lacrimal passage disorder may result from systemic treatment of patients with S-1. Symptoms of lacrimal passage disorder improved with early detection and treatment by insertion of a silicone tube.
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胃と腸 45(12) 1882-1893 2010年11月1994〜1998年に当院で切除された,SM以深の胃癌468例を特殊型胃癌(「胃癌取扱い規約第14版」)に焦点を当てて検討した.特殊型は43例(9.2%)であり,内分泌細胞癌8例,リンパ球浸潤癌21例,肝様腺癌14例であった.これらの第13版における組織型はpor1 32例,pap 4例,tub2 4例,tub1 1例,por2 1例,nec 1例であった.全例で予後が確認でき,内分泌細胞癌と肝様腺癌の5年生存率は25.0%,35.7%であり,SM以深胃癌全体の66.0%に比べ有意に低かった.リンパ球浸潤癌は95.2%で,有意に高かった.また,今回の検討期間には含まれていなかったが,過去に扁平上皮癌5例,腺扁平上皮癌4例を経験しており,これらを第14版での診断基準で再検討すると扁平上皮癌1例,腺扁平上皮癌4例であった.特殊型は頻度が低く,その診断は困難であるものの今回の改訂で大幅に増加し,今後その重要性が期待された.(著者抄録)
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胃と腸 45(12) 1916-1925 2010年11月胃のリンパ球浸潤癌は腫瘍組織内外にリンパ球浸潤が高度な組織型で,EBV(Epstein-Barr virus)感染が高頻度に関連している.「胃癌取扱い規約第14版」では低分化腺癌充実型(por1)から特殊型として独立した位置づけとなった.当院で治療した胃癌症例からリンパ球浸潤癌を抽出し,EBV陽性群とEBV陰性群に分類して臨床病理学的に検討した.リンパ球浸潤癌は59例で胃癌全体の2.5%,EBV陽性群は43例(73%),EBV陰性群は16例(27%)であった.肉眼型は早期癌では混合型が,進行癌では2型が多く,粘膜下腫瘍の形態をとるものが多く認められた.深達度は粘膜下層症例が多く(61%),粘膜癌は1例も認めなかった.EBV陽性群は男性優位が顕著(84%)で,胃の近位部に大部分(95%)が存在していた.組織学的には粘膜下以深でリンパ球浸潤癌の特徴を示すが,粘膜内成分では中分化型管状腺癌(tub2)にリンパ球浸潤を伴うlace patternの性質を有していた.EBV陽性群の大部分(86%)が腺境界部に存在していた.リンパ球浸潤癌は予後良好な症例が多く,腫瘍の性質に応じた治療を行うためにも,肉眼診断,生検診断の時点で予測をつけることが重要と考えられた.(著者抄録)
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PATHOLOGY INTERNATIONAL 58(7) 421-426 2008年7月An association between autoimmune pancreatitis (AIP) and inflammatory abdominal aortic aneurysm (AAA) has never been reported. Reported herein is a case of IgG4-related inflammatory AAA accompanying metachronous AIP. A 77-year-old man presented with malaise and intermittent lower abdominal pain. Radiological examination showed inflammatory AAA and right hydronephrosis caused by retroperitoneal fibrosis. Surgical correction of the AAA was performed, but high levels of systemic inflammatory markers persisted. Four months after surgery, the patient presented with epigastric pain, backache, and jaundice. His serum IgG4 concentration was high (571 mg/mL), and he was diagnosed with AIP, based on clinical and radiological findings. Corticosteroid therapy resulted in improvement of the clinical findings and lowered his serum IgG4 levels. Subsequent histological examination of a specimen from the aortic wall showed irregular proliferation of fibroblastic and myofibroblastic cells, severe lymphoplasmacytic infiltration, and obliterative phlebitis in the adventitia. Furthermore, on immunohistochemistry many plasma cells within the lesion were found to be positive for IgG4. These findings suggest that inflammatory AAA has a pathological process similar to that of AIP, and that some cases of inflammatory AAA and retroperitoneal fibrosis may be aortic and periaortic lesions of an IgG4-related sclerosing disease.
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胃と腸 40(12) 1697-1702 2005年11月57歳,女.上腹部不快感を主訴とした.入院時,十二指腸造影検査にて下行脚に全周性狭窄(約5cm長)と多発性小潰瘍を認めた.上部消化管内視鏡にて狭窄部の粘膜面に白色の微細顆粒状所見を認めた.腹部CTにて下行脚狭窄部に内部densityがほぼ均一な類円形腫瘤を認め,超音波内視鏡では全層性で内部エコー不均一な類円形腫瘍を呈した.悪性腫瘍を強く疑い幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本は4.2cm×4cm大の充実性腫瘤で,粘膜には潰瘍が多発していた.病理組織学的所見では十二指腸壁ほぼ全層性に中型異型リンパ球が濾胞状に増生し,膵頭部に浸潤していた.免疫組織化学的に異型リンパ球はL26,bcl-2,CD10陽性であった.十二指腸原発濾胞性リンパ腫,grade1,stage IVと診断した.術後30日よりRituximab-CHOP療法を開始し,現在再発なく外来通院中である
MISC
283共同研究・競争的資金等の研究課題
1-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2021年4月 - 2023年3月