北村 祥貴, 海崎 泰治, 宮永 太門, 澤田 幸一郎, 藤田 麻奈美, 宮崎 真奈美, 八木 大介, 伊藤 誉, 浅海 吉傑, 平能 康充, 林田 有市, 前田 一也, 大田 浩司, 林 裕之, 道傳 研司, 服部 昌和, 橋爪 泰夫
胃と腸 46(9) 1397-1402 2011年8月
患者は60歳代,女性.検診を目的に施行した胃内視鏡検査で胃前庭部に粘膜下腫瘍を指摘され,当科を受診した.胃X線検査ならびに胃内視鏡検査で胃前庭部大彎に径2cm大の立ち上がりのなだらかな粘膜下腫瘍を認め,表面性状は平滑であった.EUSでは,第4層内に11×10mm大の境界明瞭な腫瘤を認め,内部エコーは高〜低エコーが散在し不均一であった.腹部CT検査では腫瘤が造影早期相から強く濃染された.腹腔鏡下胃局所切除術にて切除した標本の病理診断では,胃固有筋層内のglomus腫瘍と診断した.胃glomus腫瘍は前庭部に好発し,EUSで内部エコーは固有筋層より高く不均一で,造影CT検査で早期から強く濃染することが鑑別診断に有用と思われた.(著者抄録)