鈴木 政美, 西嶌 渡, 神山 亮介, 有泉 陽介, 出雲 俊之
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 78(8) 555-557 2006年7月
喉頭腫瘤性病変で全身麻酔下に生検をし,声帯後部に腫瘤性病変を認めた35例(男34例,女1例)について検討した.病理診断は肉芽腫22例,過角化症4例,過角化症+肉芽腫3例,乳頭腫4例,扁平上皮癌2例で,肉芽腫関連病変が25例,過角化症関連病変が7例,上皮性腫瘍が6例あり,そのうち扁平上皮癌は2例であった.なお,女性1例は乳頭腫であった.初診時の主訴と受診理由は,重複を含めて,嗄声が19例,咽頭痛が7例,のどの違和感が6例,のどに痰がからむが2例,偶然発見されたのが2例であった.病理組織別には,肉芽腫22例では嗄声が13例,咽頭痛が4例,のどの違和感が3例,のどに痰がからむが2例,過角化症4例(重複を含む)では咽頭痛が2例,のどの違和感が2例,偶然発見されたのが1例,過角化症+肉芽腫3例では嗄声が2例,咽頭痛が1例,乳頭腫4例では嗄声が2例,のどの違和感が1例,偶然発見されたが1例,扁平上皮癌の2例では嗄声が2例であった