村上知弘, 大谷津幸生, 小濱亜希, 林宏栄, 手塚里奈, 杉山知子, 岡田成生, 早坂純一, 笹栗健一, 野口忠秀, 神部芳則, 森良之
栃木県歯科医学会誌 70 13-18 2018年4月
当科で行っている顎矯正治療システムについての概要を報告するとともに、最近5年間での当科における顎矯正手術症例の臨床統計の検討を行った。当科での顎変形症治療は、主に次の六つの段階に分けられる。検査・診断、術前矯正治療、術前診断、手術方法の選択、手術および周術期管理、術後矯正治療、保定。2012年1月~2017年8月までに当科にて手術施行となった顎変形症患者45例(男性19例、女性26例、平均23歳)を対象とした。診断では下顎前突症が最も多く、27例(60%)であった。術式のうち最も多かったのは上下顎骨切り術(2 Jaw surgery)の26例(58%)であった。平均出血量は下顎骨骨切り術で167.8ml、上下顎骨切り術で364.4ml、平均手術時間は下顎骨骨切り術で3時間42分、上下顎骨切り術で5時間18分であった。平均入院期間は下顎骨骨切り術で9.5日、上下顎骨切り術で10.1日であった。