兵頭春夫, 福田武隼, 門馬公経, 小原靖尋, 福田晴美, 高橋秀光, 今田俊哉, 森田賀津雄, 乾裕子, 荒井大輔, 小林幹雄, 水野智弥, 岩崎忠臣, 百目木希美, 山口佳志, 丹羽康則, 篠崎健史, 杉本英治
栃木県医学会々誌 37 28-31 2007年12月
人間ドック受診者1082名(男831名・女251名)を対象に、喫煙による胸部X線像への影響を検討した。喫煙者は596名(男567名・女29名:A群)で、非喫煙者が486名(男264名・女222名:B群)であった。評価は詳細画像による末梢の細気管支像のCategory分類により行い、緩衝帯まで追跡可能(C1)、1/2肋骨巾まで追跡可能(C2)、1/3肋骨巾まで追跡可能(C3)とした。肺機能別にみると、1秒率80%以上の症例では各年代ともA群でC2・C3の割合が高かった。A群のC3例の割合は39歳以下20.4%、40歳代22%、50歳代22.6%、60歳以上24%で、B群との間に有意差を認めた。1秒率70%台でもA群は各年代でB群に比較してC2・C3の割合が有意に高く、1秒率69%以下ではA群25名のうち60歳以上群の1名のみC1で、他の年齢群に正常者はみられず、B群との間に有意差を認めた。B群のうち、職場や配偶者の喫煙による受動喫煙者204名(男74名・女130名)では、30〜59歳でのC2・C3の割合が男100%、女78%と高かった。